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秋野 豊(1950-1998) 小
樽に生まれ育ち、北海道大学で学び、ソ連解体後のユーラシア大陸の激動を短期間で駆け抜けた政治学者。タジキスタンでの平和維持活動のさなか凶弾に倒れた
が、ユーラシア空間が再編されていく現場から同時代史として発信しようとした手法は、変化を続ける境界地域を追跡するボーダースタディーズ(境界研究)に
多大な影響を与えた。また現地に暮らす人々に少しでも近づこうとするまなざしも受け継がれている。 |
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宮本 常一(1907-1981) 瀬戸内海の周防大島の農家に生まれ、生涯にわたって日本の農山漁村を歩いて庶民の暮らしを記録した。空襲ですべての調査資料を失ったあと、都市と農村をつなぐ配給システムの構築や離島振興に邁進、国境の島々をていねいに歩いた。残された膨大な著作と写真だけでなく、地域研究のモラル、研究者であり生活者であるという立ち位置、社会の課題にいかに向きあうべきかなど、宮本常一はいまもわれわれに問いかけ続けている。 |