第8回「九大・北大 合同フロンティア・セミナー」(2/7)が東京で開催
2011/02/16
第8回「九大・北大 合同フロンティア・セミナー」が東京で開催
2011年2月7日、「北方領土の日」というのは偶然ですが、九州大学と北海道大学の合同セミナーが、東京駅横のサピアタワーで「日本のボーダー研究最前線:地域を融かす境界研究」というテーマで開催されました。このセミナーは九大韓国研究センター長で本プログラムとも関係の深い松原孝俊教授のイニシャティブによるもので、ボーダースタディーズを北と西から切り結ぶというその趣旨に賛同し、本プログラムも全面的に協力しました。
最初に登壇された松原教授による「海峡あれど、国境なし:シームレスな日韓海峡圏構築の試み」は、2010年8月に北大総合博物館で講演された「日韓海峡圏地域連携構想」を発展させたもので、その軽妙な語り口はいつもながらに聴衆を魅了しました。これに対して本プログラムからは岩下が「国境から世界を包囲する」というテーマで、世界のボーダースタディーズを紹介するとともに、北方領土問題の本質について踏み込んだ議論を展開しました。休憩を挟んで、九州大学大学院法学研究院の出水薫教授の進行により、フロアも交えた活発な議論が行われました。
九大と北大のOBが中心でしたが、時機を得たテーマでもあり、メディア関係者も参加し、160名という記録的な数字となりました。休憩時間にはワインなども提供され、セミナーはきわめてアットホームな雰囲気で進みました。本プログラムのリーダーが九州大学の出身であることも、両大学の友好を深めるのに、一役買ったようです。
・松原 孝俊(九州大学 韓国研究センター長・教授)
【演題 : 海峡あれど、国境なし:シームレスな日韓海峡圏構築の試み】
今、福岡・釜山が熱い。その距離は約200キロ。往来する人の数は160万名(2009年「福岡・釜山友情年2009」の実施で、両市民の「情」は深まり、釜山・福岡超広域経済圏形成に向けて、大きく踏み出しました。EUを見据えた、北東アジア最初の試みとなるグローバル経済圏構想です。2010年に設立10周年を迎えた九州大学韓国研究センターは、この間、日韓の新時代に向けて、国境を越えた新しい地域連携モデルを発信しました。経済・教育など多彩な日韓共通ルールを提案し、併せて東アジア秩序に関するヴィジョン(東アジア共同体)の共有を強調しました。そのことによって、日韓の国際競争力アップと地域経済活性化に大きく寄与すると信じるからであります。本セミナーでは、「日韓の国境が融解しつつある」最新のボーダー研究の一端を紹介いたします。
・岩下 明裕(北海道大学 スラブ研究センター教授)
【演題 : 国境から世界を包囲する】
昨年は尖閣列島や北方領土を巡り、日本中がにわかに国境づいた1年でした。今年も年頭から「読売」では「領土」特集があり、「朝日」でも日本の国境地域をとりあげたコラムが載りました。だが、周りを海で囲まれた「島国日本」の住民たちはほとんど国境について実感をもたず、また真剣に考えたことさえありません。なにか有事が起こったときに、急にナショナリスティックになって拳を振り上げてみても、明日になればすぐにみな忘れてしまう。いま日本に何よりも必要なことは、国境の現場を知ること、つまり「ボーダーリテラシー」の涵養であります。今回は、様々なフロンティアで進行中の「境界研究(ボーダーステディーズ)」とはなにかを、みなさんにお話しいたします。
【パネルディスカッション】
テーマ : 「日本のボーダー研究最前線:地域を融かす境界研究」
コーディネーター : 出水 薫(九州大学大学院法学研究院 教授)
パネリスト : 松原 孝俊(九州大学 韓国研究センター長・教授)
岩下 明裕(北海道大学 スラブ研究センター 教授)
2011年2月7日、「北方領土の日」というのは偶然ですが、九州大学と北海道大学の合同セミナーが、東京駅横のサピアタワーで「日本のボーダー研究最前線:地域を融かす境界研究」というテーマで開催されました。このセミナーは九大韓国研究センター長で本プログラムとも関係の深い松原孝俊教授のイニシャティブによるもので、ボーダースタディーズを北と西から切り結ぶというその趣旨に賛同し、本プログラムも全面的に協力しました。
最初に登壇された松原教授による「海峡あれど、国境なし:シームレスな日韓海峡圏構築の試み」は、2010年8月に北大総合博物館で講演された「日韓海峡圏地域連携構想」を発展させたもので、その軽妙な語り口はいつもながらに聴衆を魅了しました。これに対して本プログラムからは岩下が「国境から世界を包囲する」というテーマで、世界のボーダースタディーズを紹介するとともに、北方領土問題の本質について踏み込んだ議論を展開しました。休憩を挟んで、九州大学大学院法学研究院の出水薫教授の進行により、フロアも交えた活発な議論が行われました。
九大と北大のOBが中心でしたが、時機を得たテーマでもあり、メディア関係者も参加し、160名という記録的な数字となりました。休憩時間にはワインなども提供され、セミナーはきわめてアットホームな雰囲気で進みました。本プログラムのリーダーが九州大学の出身であることも、両大学の友好を深めるのに、一役買ったようです。
・松原 孝俊(九州大学 韓国研究センター長・教授)
【演題 : 海峡あれど、国境なし:シームレスな日韓海峡圏構築の試み】
今、福岡・釜山が熱い。その距離は約200キロ。往来する人の数は160万名(2009年「福岡・釜山友情年2009」の実施で、両市民の「情」は深まり、釜山・福岡超広域経済圏形成に向けて、大きく踏み出しました。EUを見据えた、北東アジア最初の試みとなるグローバル経済圏構想です。2010年に設立10周年を迎えた九州大学韓国研究センターは、この間、日韓の新時代に向けて、国境を越えた新しい地域連携モデルを発信しました。経済・教育など多彩な日韓共通ルールを提案し、併せて東アジア秩序に関するヴィジョン(東アジア共同体)の共有を強調しました。そのことによって、日韓の国際競争力アップと地域経済活性化に大きく寄与すると信じるからであります。本セミナーでは、「日韓の国境が融解しつつある」最新のボーダー研究の一端を紹介いたします。
・岩下 明裕(北海道大学 スラブ研究センター教授)
【演題 : 国境から世界を包囲する】
昨年は尖閣列島や北方領土を巡り、日本中がにわかに国境づいた1年でした。今年も年頭から「読売」では「領土」特集があり、「朝日」でも日本の国境地域をとりあげたコラムが載りました。だが、周りを海で囲まれた「島国日本」の住民たちはほとんど国境について実感をもたず、また真剣に考えたことさえありません。なにか有事が起こったときに、急にナショナリスティックになって拳を振り上げてみても、明日になればすぐにみな忘れてしまう。いま日本に何よりも必要なことは、国境の現場を知ること、つまり「ボーダーリテラシー」の涵養であります。今回は、様々なフロンティアで進行中の「境界研究(ボーダーステディーズ)」とはなにかを、みなさんにお話しいたします。
【パネルディスカッション】
テーマ : 「日本のボーダー研究最前線:地域を融かす境界研究」
コーディネーター : 出水 薫(九州大学大学院法学研究院 教授)
パネリスト : 松原 孝俊(九州大学 韓国研究センター長・教授)
岩下 明裕(北海道大学 スラブ研究センター 教授)