ABSソルトレイク・シティ大会終了
2011/04/19
第53回ABS(Association for Borderlands Studies)が4/13-16日、ソルトレイクシティー(ユタ州)で開催されました。我が国からは、古川浩司(中京大)、佐藤由紀(島嶼学会)、水谷裕佳(北大アイヌ研)、池直美、井澗裕、福田宏、藤森信吉(北大GCOE)の各氏が参加・報告を行いました。
14日、“Border Networking and the Development of Peripheral Initiatives”
と題されたパネルでは、古川・佐藤両氏が、境界地域ネットワークの発展について報告を行いました。同ネットワークの組織化にはGCOEも関与しており、学問と現場をつなぐ場としての意義が強調されました。会場からは実際の政治へのインパクトについて質問が寄せられました。
15日、"Power,Perception and Borderland"と題されたパネルでは水谷研究員が、2010 年11 月から2011 年2 月まで北海道大学博物館で開催された「北米先住民ヤキの世界展」を具体例として、博物館における一般の人々への国境という概念の開設方法に関する発表を行ないました。同パネルはメキシコ・アメリカ国境の報告が集まっており、ヤキも少なからず影響を蒙っている改正アリゾナ州法に対する議論で会場が沸騰しました。
16日は、井澗・藤森・福田のGCOE研究員が、"Modern and Contemporary Border Issues in Slavic Eurasia"パネルに登場しました。井澗研究員はサハリン・樺太の国境線の移動と街並みの変化について、藤森研究員は、非承認国家沿ドニエステルと周辺国を巻き込んだ国境貿易について、福田研究員はソコールが形作ったチェコの境界について、それぞれ報告しました。それぞれの報告が対象とする地域は、北米の境界問題中心のABSにとって馴染みがないものですが、いずれも
北米の境界問題と共通点を有しているとの指摘が会場から出され、他地域との比較による研究の拡大の余地を感じさせました。
同日には、"Security, Human Security, Culture and Multiculturaliusm: Issues for the Canada-US Border" パネルでは池GCOE助教が、カナダにおける韓国人移民社会問題について報告を行いました。カナダ・アメリカ国境はABSの主たるテーマですが、韓国人移民の問題については研究がなく、学会からの要請もきわめて高いものです。
総じて、ABSでは、他地域との比較を加えることが、今後のユーラシア地域研究の課題と強く感じさせられました。
14日、“Border Networking and the Development of Peripheral Initiatives”
と題されたパネルでは、古川・佐藤両氏が、境界地域ネットワークの発展について報告を行いました。同ネットワークの組織化にはGCOEも関与しており、学問と現場をつなぐ場としての意義が強調されました。会場からは実際の政治へのインパクトについて質問が寄せられました。
15日、"Power,Perception and Borderland"と題されたパネルでは水谷研究員が、2010 年11 月から2011 年2 月まで北海道大学博物館で開催された「北米先住民ヤキの世界展」を具体例として、博物館における一般の人々への国境という概念の開設方法に関する発表を行ないました。同パネルはメキシコ・アメリカ国境の報告が集まっており、ヤキも少なからず影響を蒙っている改正アリゾナ州法に対する議論で会場が沸騰しました。
16日は、井澗・藤森・福田のGCOE研究員が、"Modern and Contemporary Border Issues in Slavic Eurasia"パネルに登場しました。井澗研究員はサハリン・樺太の国境線の移動と街並みの変化について、藤森研究員は、非承認国家沿ドニエステルと周辺国を巻き込んだ国境貿易について、福田研究員はソコールが形作ったチェコの境界について、それぞれ報告しました。それぞれの報告が対象とする地域は、北米の境界問題中心のABSにとって馴染みがないものですが、いずれも
北米の境界問題と共通点を有しているとの指摘が会場から出され、他地域との比較による研究の拡大の余地を感じさせました。
同日には、"Security, Human Security, Culture and Multiculturaliusm: Issues for the Canada-US Border" パネルでは池GCOE助教が、カナダにおける韓国人移民社会問題について報告を行いました。カナダ・アメリカ国境はABSの主たるテーマですが、韓国人移民の問題については研究がなく、学会からの要請もきわめて高いものです。
総じて、ABSでは、他地域との比較を加えることが、今後のユーラシア地域研究の課題と強く感じさせられました。