BRIT(Border Region in Transition)速報(第1、2日目)
2011/09/09
9月6~9日、BRIT XI大会がジュネーブ大学(スイス)、IGA(グルノーブル、フランス)で開催された。大会第一日目、”Sea cross-boundary cooperation of Japan and Korea across the Strait of Tsushima” と題するセッションでは、西島(福岡市)、加峯(九経調)、林正徳(釜山大名誉教授)が、対馬海峡を挟んだ日韓協力の実態について報告を行ない、併せて、岩下明裕(GCOE拠点リーダー)が、対馬の新作DVDを交えつつ、次BRIT大会の誘致の意義を聴衆に視覚的に説明した。また、ポスターセッションでは、GCOEの活動概要を説明するポスターが展示された。
二日目(9月7日)には、”Fluctuating Borders in Post- Soviet Countries”セッション内で旧ソ連諸国からの研究者達とともに藤森信吉・福田宏の二GCOE研究員が報告を行った。藤森はBorder makes money? Unknown Business between the Unrecognized State andNeighbors と題する沿ドニエステルをめぐる経済問題について、福田は Central Europea as a shifting Zone と題するハプスブルグ期から戦間期の知識エリートの中欧概念についてそれぞれ報告を行い、現地研究者に劣らない知見を披露した。第一報告者の遅刻により15分遅れでスタートするという幸運により、旧ソ連地域に知識を有する20名余の専門家は最初の報告から議論に参加する機会に恵まれ、セッション終了後も個別の意見交換が続けられた。
"The Edge of Eastern Eurasia: Mobile Borders between Russia and Japan? "と題するセッションが同時間帯に並行して行われ、井澗裕・岩下明裕・田村将人・Paul Benjamin Richirdsonの4名が報告を行った。井澗はMobile Border and Townscapesと題して、宗谷海峡に面する都市コルサコフからみた国境と景観の変化を論じた。岩下はMobile Islands on the Borderと題して、下田条約以降の日露国境の変化、国境交渉の経緯、中央と地方の領土観の懸隔などを論じた。田村はMobile Border and Indigenous Peopleと題し、国境の変化により強制移住を余儀なくされた樺太アイヌの歴史を論じた。RichardsonはThe Southern Kurils as a 'Hyper-Border'と題し、北方領土の現在の島民・関係者・マスコミなどの言説分析を通して、ハイパーボーダーという報告者独自の国境概念を提唱した。8時30分の開催にもかかわらず参加者は徐々に増え、最終的には30名以上がマイクのない小さな教室で活発な議論をくりひろげることとなった。
二日目(9月7日)には、”Fluctuating Borders in Post- Soviet Countries”セッション内で旧ソ連諸国からの研究者達とともに藤森信吉・福田宏の二GCOE研究員が報告を行った。藤森はBorder makes money? Unknown Business between the Unrecognized State andNeighbors と題する沿ドニエステルをめぐる経済問題について、福田は Central Europea as a shifting Zone と題するハプスブルグ期から戦間期の知識エリートの中欧概念についてそれぞれ報告を行い、現地研究者に劣らない知見を披露した。第一報告者の遅刻により15分遅れでスタートするという幸運により、旧ソ連地域に知識を有する20名余の専門家は最初の報告から議論に参加する機会に恵まれ、セッション終了後も個別の意見交換が続けられた。
"The Edge of Eastern Eurasia: Mobile Borders between Russia and Japan? "と題するセッションが同時間帯に並行して行われ、井澗裕・岩下明裕・田村将人・Paul Benjamin Richirdsonの4名が報告を行った。井澗はMobile Border and Townscapesと題して、宗谷海峡に面する都市コルサコフからみた国境と景観の変化を論じた。岩下はMobile Islands on the Borderと題して、下田条約以降の日露国境の変化、国境交渉の経緯、中央と地方の領土観の懸隔などを論じた。田村はMobile Border and Indigenous Peopleと題し、国境の変化により強制移住を余儀なくされた樺太アイヌの歴史を論じた。RichardsonはThe Southern Kurils as a 'Hyper-Border'と題し、北方領土の現在の島民・関係者・マスコミなどの言説分析を通して、ハイパーボーダーという報告者独自の国境概念を提唱した。8時30分の開催にもかかわらず参加者は徐々に増え、最終的には30名以上がマイクのない小さな教室で活発な議論をくりひろげることとなった。