JCAS次世代ワークショップ「折り重なる境界、揺れ動く境界」(1/21-22)開催
2012/01/22
2012年1月21日-22日、早稲田大学にて、JCAS次世代ワークショップ「折り重なる境界、揺れ動く境界:比較の中のパレスチナ・イスラエル複合戦争」が開催されました。当ワークショップは、JCAS(地域研究コンソーシアム)からの依頼と公募を通じて、本プログラムが支援したものです。ワークショップはパレスチナ・イスラエル地域の若手研究者が中心となり、ボーダーをキーワードに自由な議論を行う場として組織されました。とくに他の地域研究との比較の文脈で相互に刺激し合うという趣旨のもと、西欧やバルカンなどの地域研究者がそれぞれのパネルに報告者や討論者として入るという工夫がなされました。歴史学のみならず、政治地理学を担う若手研究者や実務者が参加していたことも注目すべきところです。
ボーダースタディーズの基礎的枠組や境界の定義などが十分に消化されないまま報告がなされた感もありましたが、両日とも50人を越える参加者のもと議論は活発になされ、ボーダースタディーズの意義や魅力に新しいオーディエンスが気づく良い機会になったと確信します。なおワークショップの成果は、『境界研究』や『Eurasia Border Review』に投稿されることが期待されています。 (岩下 明裕)
プログラム
第一日目:1月21日(土) 14:00~17:10
パネル1 「越境と抵抗」
報告
飛奈裕美(日本学術振興会特別研究員)「多元都市エル サレムの境界がもたらす紛争のローカル性とグローバル性:土地支配をめぐるポリティクスの事例から」
鈴木啓之(東京大学・院)「占領と抵抗の相克:被占領地のパレスチナ人市長を事例に」
北川眞也(大阪市立大学)「ポストコロニアル・ヨーロッパにおける闘争の場としての境界:移民によって横断されるイタリア・ランペドゥーザ島」
岩浅紀久(ITエンジニアリング研究所研究員)「占領政策における境界がもたらすパレスチナ経済の課題と展望」
コメント:金城美幸(立命館大学・院)
第二日目:1月22日(日) 10:00~18:00
パネル2 「揺れ動く境界、越境する植民地主義」 (10:00~12:30)
報告
浅田進史(首都大学東京)「植民地権力と越境のポリティクス:膠州湾租借地におけるドイツ統治を事例に」
武田祥英(千葉大学・院)「『パレスチナ』の輪郭。その帝国主義的起源について:英帝国の東方政策の危機とその対応の検討から」
役重善洋(京都大学・院)「移住植民地建設をめぐる技術とイデオロギーの伝播:矢内原忠雄のシオニズム論・植民政策論をめぐって」
コメント:久保慶一(早稲田大学)
パネル3 「ナショナリズムと文明の境界」 (13:30~16:00)
報告
鶴見太郎(日本学術振興会特別研究員)「研究者が境界をずらしてみる:シオニズムの世界観の来歴をめぐって」
今野泰三(日本学術振興会特別研究員/大阪市立大学・院)「宗教シオニズムの越境:イデオロギーと神学の相克」
長島大輔(東京経済大学・非常勤講師)「ムスリムかムスリム人か:旧ユーゴスラヴィアにおける宗教と ショナリズム」
コメント:富樫耕介(日本学術振興会特別研究員/東京大学・院)
総合議論 (16:15~18:00)
総括コメント 臼杵陽(日本女子大学)
ボーダースタディーズの基礎的枠組や境界の定義などが十分に消化されないまま報告がなされた感もありましたが、両日とも50人を越える参加者のもと議論は活発になされ、ボーダースタディーズの意義や魅力に新しいオーディエンスが気づく良い機会になったと確信します。なおワークショップの成果は、『境界研究』や『Eurasia Border Review』に投稿されることが期待されています。 (岩下 明裕)
プログラム
第一日目:1月21日(土) 14:00~17:10
パネル1 「越境と抵抗」
報告
飛奈裕美(日本学術振興会特別研究員)「多元都市エル サレムの境界がもたらす紛争のローカル性とグローバル性:土地支配をめぐるポリティクスの事例から」
鈴木啓之(東京大学・院)「占領と抵抗の相克:被占領地のパレスチナ人市長を事例に」
北川眞也(大阪市立大学)「ポストコロニアル・ヨーロッパにおける闘争の場としての境界:移民によって横断されるイタリア・ランペドゥーザ島」
岩浅紀久(ITエンジニアリング研究所研究員)「占領政策における境界がもたらすパレスチナ経済の課題と展望」
コメント:金城美幸(立命館大学・院)
第二日目:1月22日(日) 10:00~18:00
パネル2 「揺れ動く境界、越境する植民地主義」 (10:00~12:30)
報告
浅田進史(首都大学東京)「植民地権力と越境のポリティクス:膠州湾租借地におけるドイツ統治を事例に」
武田祥英(千葉大学・院)「『パレスチナ』の輪郭。その帝国主義的起源について:英帝国の東方政策の危機とその対応の検討から」
役重善洋(京都大学・院)「移住植民地建設をめぐる技術とイデオロギーの伝播:矢内原忠雄のシオニズム論・植民政策論をめぐって」
コメント:久保慶一(早稲田大学)
パネル3 「ナショナリズムと文明の境界」 (13:30~16:00)
報告
鶴見太郎(日本学術振興会特別研究員)「研究者が境界をずらしてみる:シオニズムの世界観の来歴をめぐって」
今野泰三(日本学術振興会特別研究員/大阪市立大学・院)「宗教シオニズムの越境:イデオロギーと神学の相克」
長島大輔(東京経済大学・非常勤講師)「ムスリムかムスリム人か:旧ユーゴスラヴィアにおける宗教と ショナリズム」
コメント:富樫耕介(日本学術振興会特別研究員/東京大学・院)
総合議論 (16:15~18:00)
総括コメント 臼杵陽(日本女子大学)