中露関係に幻想を持たないこと:シンポジウム「中ロ国境地域:共生への期待と不安」(3/16、富山大学)参加記
2012/03/18
2012年3月16日、富山大学にて本プログラムが後援したシンポジウム「中ロ国境地域:共生への期待と不安」が開催されました。本シンポジウムは、旧ソ連圏の移民研究をリードする堀江典生・極東地域研究センター教授が経済軸に中露国境地域の今後を展望しようと企画したものですが、およそ30名の参加者には、大学関係者だけではなく、省庁やメディアの方で東京から来られた方もおり、中露の問題への関心の高さがうかがえました。
昨今、外交政策立案者や東京のメディアの一部には、ロシアの中国脅威輪を過大評価し、これを北方領土問題も含む日露関係を動かす梃子にしたいとする希望的な観測がありますが、現場に根付いた本シンポジウムの研究報告の数々は、そのような表層的な理解では到底とらえきれない、ロシアと中国の、複雑ではあるが、深淵で重層的かつ柔軟な関係性の実態を見事に描き出していました。
いまや日本の中露関係についての研究は世界をリードしうる水準にあると思います。今後この成果が内外に発信され、一人でも多くの方に共有されることを期待します。 (岩下明裕)
昨今、外交政策立案者や東京のメディアの一部には、ロシアの中国脅威輪を過大評価し、これを北方領土問題も含む日露関係を動かす梃子にしたいとする希望的な観測がありますが、現場に根付いた本シンポジウムの研究報告の数々は、そのような表層的な理解では到底とらえきれない、ロシアと中国の、複雑ではあるが、深淵で重層的かつ柔軟な関係性の実態を見事に描き出していました。
いまや日本の中露関係についての研究は世界をリードしうる水準にあると思います。今後この成果が内外に発信され、一人でも多くの方に共有されることを期待します。 (岩下明裕)