博物館セミナー「京劇のなかの女性像-悪女と聖女、イメージと役柄の変遷」(4/21)参加記
2012/04/21
2012年4月21日、北海道大学総合博物館において、博物館土曜市民セミナー「京劇のなかの女性像-悪女と聖女、イメージと役柄の変遷」が開催されました。
講師の田村 容子氏により、京劇の簡単な歴史、役柄の類型、部隊の構造といった京劇の基本が教授されました。次いで時代ごとに、京劇内に現れる女性像が変遷していくさまを、水滸伝の扈三娘「三打祝家荘」、閻婆借「烏龍院」、さらには文革模範劇の李鉄梅「紅灯記」、呉清華「紅色娘子軍」、英嫂「沂蒙頌」を例にとって、京劇の映像を交えて説明されました。
伝統的な京劇では、活発な女性は必ず男性に成敗される、という役柄であったものが、革命期には「正しい女性」としての役柄が与えられます。しかし、正しい女性像も未婚の場合は、男性の指導により成長を導かれること、既婚の場合は自立しているが、寡婦であったり、夫が何らかの理由で不在である、という固定された女性像が見られます。一方で、革命模範劇では、バレーの要素も取り入れられており、はからずもセクシャルな側面が画面に表出し、当時の男性の注目を受けていた、といった見逃せないポイントも指摘されました。
会場は、京劇やジェンダーといったテーマに関心を抱く120名余りの聴衆で満席となり、田村講師の関西弁を交えた巧みな話術と、濃い映像の数々にすっかり魅了された様子でした。
なお、本セミナーが、GCOE総合博物館土曜市民セミナー「越境するイメージ-メディアにうつる中国」シリーズの最終回となります。
次の土曜市民セミナーはフィンランドの少数民族「サーミ人」をテーマとしたものになります。詳細については本HP上で告知いたします。次シリーズの参加、心よりお待ち申し上げます。
講師の田村 容子氏により、京劇の簡単な歴史、役柄の類型、部隊の構造といった京劇の基本が教授されました。次いで時代ごとに、京劇内に現れる女性像が変遷していくさまを、水滸伝の扈三娘「三打祝家荘」、閻婆借「烏龍院」、さらには文革模範劇の李鉄梅「紅灯記」、呉清華「紅色娘子軍」、英嫂「沂蒙頌」を例にとって、京劇の映像を交えて説明されました。
伝統的な京劇では、活発な女性は必ず男性に成敗される、という役柄であったものが、革命期には「正しい女性」としての役柄が与えられます。しかし、正しい女性像も未婚の場合は、男性の指導により成長を導かれること、既婚の場合は自立しているが、寡婦であったり、夫が何らかの理由で不在である、という固定された女性像が見られます。一方で、革命模範劇では、バレーの要素も取り入れられており、はからずもセクシャルな側面が画面に表出し、当時の男性の注目を受けていた、といった見逃せないポイントも指摘されました。
会場は、京劇やジェンダーといったテーマに関心を抱く120名余りの聴衆で満席となり、田村講師の関西弁を交えた巧みな話術と、濃い映像の数々にすっかり魅了された様子でした。
なお、本セミナーが、GCOE総合博物館土曜市民セミナー「越境するイメージ-メディアにうつる中国」シリーズの最終回となります。
次の土曜市民セミナーはフィンランドの少数民族「サーミ人」をテーマとしたものになります。詳細については本HP上で告知いたします。次シリーズの参加、心よりお待ち申し上げます。