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セミナー「ポーランドの移ろう国境線と隣人たち ― 国境線を生む隣人たち/国境線が生む隣人たち」(6/15)参加記
2012/06/16
2012年6月15日、スラブ研究センター大会議室において、吉岡潤氏(津田塾大学)によるセミナー「ポーランドの移ろう国境線と隣人たち ―国境線を生む隣人たち/国境線が生む隣人たち」が開催されました。
ポーランドは近代ヨーロッパのなかで最も国境線が動いた国であり、ボーダースタディーズにとっても非常に興味深い研究対象だと言えます。この国は、18世紀の三分割により、そして第二次世界大戦期にも他国の侵略によって国そのものが消滅しました。戦後は国全体が大きく西にずれるという経験もしています。吉岡氏は、こうしたポーランドの複雑な国境移動について概観した後、国や民族同士の関係によって境界が変化し(人が国境線を生みだす)、また、新しく生まれた境界線が隣人関係を変える(国境線が人間関係を生み出す)過程を分かりやすく説明してくださいました。報告では、吉岡氏ご本人が撮影された境界の写真が多数紹介され、現在だけでなく歴史的な国境がどのように位置づけられているかについても論じられました。
会場からは、第二次世界大戦後に行われた約一千万人に及んだドイツ人の追放や、民族そのものの違いなど、多様な点について質問が出され、聴衆の関心の高さが窺えました。
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ポーランドは近代ヨーロッパのなかで最も国境線が動いた国であり、ボーダースタディーズにとっても非常に興味深い研究対象だと言えます。この国は、18世紀の三分割により、そして第二次世界大戦期にも他国の侵略によって国そのものが消滅しました。戦後は国全体が大きく西にずれるという経験もしています。吉岡氏は、こうしたポーランドの複雑な国境移動について概観した後、国や民族同士の関係によって境界が変化し(人が国境線を生みだす)、また、新しく生まれた境界線が隣人関係を変える(国境線が人間関係を生み出す)過程を分かりやすく説明してくださいました。報告では、吉岡氏ご本人が撮影された境界の写真が多数紹介され、現在だけでなく歴史的な国境がどのように位置づけられているかについても論じられました。
会場からは、第二次世界大戦後に行われた約一千万人に及んだドイツ人の追放や、民族そのものの違いなど、多様な点について質問が出され、聴衆の関心の高さが窺えました。
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