スラブ研究センターニュース 季刊 2007 年夏号No.110
比較経済体制学会の今年の全国大会が6月2~3日に富山大学で開催されました。今年の 大会では「東アジアにおける開発と環境」が共通論題とされ、渡辺利夫氏(拓殖大学学長) によるキーノートスピーチに続いて、北西太平洋行動計画(NOWPAP)総務担当官らによ る報告がなされました。また、「ロシア十月革命90 周年を考える:学会40 年の歴史を回顧し ながら」という特別セッションが設けられ、長老の先生方による報告・討論がなされました。 自由論題については、「EU の東方拡大」、「ロシア極東・シベリアの政治経済学」、「移行経済 諸国の地域社会・経済の変容」、「中国経済の諸課題」、「理論と現実」の5つのセッションが 設けられ、計10 本の報告がありました。地方で開かれた大会としては参加者も多く、活発な 討論がなされたように思われました。
総会では役員の改選がなされ、大津定美氏(大阪産業大)が新しい代表幹事となりました。 今年の秋期大会は10 月27 日(土)に法政大学で開かれ、来年の全国大会は5月31 日~6月 1日に高崎経済大学で開かれることが決まっています。
2007年 |
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10月20-21日 |
ロシア・東欧学会 於大阪大学 |
10月27日 |
比較経済体制学会秋期大会 於法政大学 |
10月27-28日 |
日本ロシア文学会第57 回定例総会・研究発表会 於千葉大学 詳細は: http://wwwsoc.nii.ac.jp/robun/index.html |
11月10-11日 |
シンポジウム「明日の世界を求めて:ロシア革命から90 年」 主催:ロシア革命90 年シンポジウム実行委員会 於明治大学 |
11月10-11日 |
ロシア史研究会2007 年度大会 於早稲田大学 詳細は:http://wwwsoc.nii.ac.jp/jssrh/ |
11月15-18日 |
米国スラブ研究促進学会(AAASS)年次大会 於ニューオーリンズ |
12月5-7日 |
スラブ研究センター冬期国際シンポジウム(記事参照) |
2008年 |
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5月31-6月1日 |
比較経済体制学会第48 回全国大会 於高崎経済大学 |
2010年 |
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7月26-31日 |
ICCEES(中東欧研究国際学会)第8回世界会議 於ストックホルム |
センターのホームページ(裏表紙参照)にはこの他にも多くの海外情報が掲載されています。
この資料は、センターが2003 年に古書店から購入したもので、日誌本体1冊、および附録 3冊から成る。
水野軍医は、日誌紙面で見るところ、1918 年8月に動員され、東京から、朝鮮、満洲を経 て、沿アムール州方面で活動した模様で、日誌本体は、動員開始から翌年8月ころまでの、 水野が所属した衛生部隊の活動を記している。自筆でなく、ガリ版刷りを綴じたものであり、 水野本人も、日誌中に筆者としてでなく登場すること、複数種類の筆跡が見られることから、 本人が個人的に作成したものでなく、部隊の活動記録として組織的に作成され、逐次関係者 に配布されたものと推察される。日々の部隊の活動を示す日報の他、気象観測記録、部隊配 置図、給水装置の図面等の資料が多く綴じ込まれているが、1919 年4月以降については、単 なる衛生概況旬報の羅列であり、日報は見られなくなる。作成されなくなったのであろうか。
附録は、やはり、資料として部隊に配布されたものと思しき資料類の綴りである。すなわち、 本人が作成した衛生旬報(1918 年9月~ 1920 年9月)、「浦汐派遣軍ニ於ケル凍傷ニ就テ」、「寒 時衛生上ノ注意書」等の他、「調書ムーヒン」、司令部職員表、地図等が綴られている。
この中には、参謀本部による『西伯利出兵史』および『西伯利出兵衛生史』等によってす でに知られている部分も多いが、たとえばムーヒンの尋問調書は、管見の限り、他に掲載さ れたものはないようであり、シベリア出兵に関する日本側史料として、今後の活用が期待さ れる。
2007年4月から6月までの3ヵ月間における、センターのホームページへのアクセス数(但し、gif・jpg等の画像形式ファイル を除く)を統計しました。
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全アクセス数 (1日平均) |
うち、 邦語表紙 アクセス数 (1日平均) |
うち、 英語表紙 アクセス数 (1日平均) |
国内からの アクセス数 (%) |
国外からの アクセス数 (%) |
不明 (%) |
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4月 | 372,726 (12,424) |
15,351 (511) |
2,442 (81) |
86,193 (23%) |
215,612 (58%) |
70,921 (19%) |
5月 | 354,009 (11,419) |
14,982 (483) |
2,258 (73) |
94,272 (27%) |
209,982 (59%) |
49,755 (14%) |
6月 | 409,707 (13,657) |
13,957 (465) |
2,075 (69) |
94,949 (23%) |
272,391 (67%) |
42,367 (10%) |
『スラヴ研究』第54 号は、印刷が大幅に遅れご迷惑をおかけしましたが、先日発行されました。 内容についてはセンターのサイトまたは前々号のセンターニュースをご覧ください。次号以 降はレイアウトなど大部分の作業をセンター内でおこない、スケジュール通りに発行したい と考えています。
次の第55 号(2008 年春刊行予定)の原稿締切は8月末です。この号から投稿の事前申し込 みは不要とします。投稿規程、執筆要領、引用注の様式を改訂しましたので、ウェブサイトの『ス ラヴ研究』のページでご確認ください。ご投稿をお待ちしています。
Acta Slavica Iaponica(英語・ロシア語による学術雑誌・年刊)第25 号に寄せられた投稿は、 現在編集委員会による審査がおこなわれています。今回は10 ヵ国の方々から投稿が寄せられ ました。
SES シリーズ第16 巻、Iwashita Akihiro, ed., Eager Eyes Fixed on Eurasia が 2分冊で刊行さ れました。これは2006 年度夏期国際シンポジウム「スラブ・ユーラシアへの視線:変化と進歩」 及び2006 年12 月に開催された科研研究会「ユーラシア秩序の新形成」での報告ペーパーを もとにした論文集です。報告ペーパー以外にも、論文集の質量を高めるために、ロシア、イ ンド、中国、韓国などから新たに書き下ろしのペーパーを集めました。ユーラシアの国際関 係を論じるのに、これだけ多岐にわたった顔ぶれをそろえた本書は類例がないと考えます。
掲載論文は以下の通りです。センターのウェブサイト(http://src-home.slav.hokudai.ac.jp/ coe21/publish/no16_1_ses/contents.html; http://src-home.slav.hokudai.ac.jp/coe21/publish/ no16_2_ses/contents.html)にも全文が掲載されています。
Vol. 1 Russia and Its Neighbors in Crisis
Martha Brill OLCOTT |
Eyes on Central Asia: How
to Understand the Winners and Losers |
Farkhod TOLIPOV |
The Foreign Policy
Orientations of Central Asian States: Positive and Negative
Diversification |
SUN Zhuangzhi |
The Relationship between
China and Central Asia |
YUASA Takeshi |
Japan’s Multilateral
Approach Toward Central Asia |
Tatiana ZAKAURTSEVA |
The Current Foreign Policy of Russia |
László PÓTI |
The Rediscovered Backyard:
Central Europe in Russian Foreign Policy |
Mark N. KATZ |
Russia’s Security
Challenges |
KO Sangtu |
Russia’s Choice of
Alliance: Balancing or Bandwagoning? |
IWASHITA Akihiro |
Primakov Redux? Russia and
the “Strategic Triangles” in Asia |
Nirmala JOSHI |
India-Russia Relations and
the Strategic Environment in Eurasia |
Fazal-ur-RAHMAN |
Pakistan’s Evolving
Relations with China, Russia, and Central Asia |
YOSHIDA Osamu |
Eurasia and South Asia in Their
Global Context |
Vol. 2 Russia and Its Eastern Edge
Alexei D. VOSKRESSENSKI |
The Rise of China and
Russo-Chinese Relations in the New Global Politics of Eastern Asia |
Neville MAXWELL |
How the Sino-Russian
Boundary Conflict Was Finally Settled: From Nerchinsk 1689 to
Vladivostok 2005 via Zhenbao Island 1969 |
Dmitri RYABUSHKIN |
Origins and Consequences
of the Soviet-Chinese Border Conflict of 1969 |
SU Fenglin |
Questions Regarding Past and
Present Sino-Russian Cultural Exchange |
JIA Qingguo |
The Shanghai Cooperation
Organization: China’s Experiment in Multilateral Leadership |
KATO Mihoko |
Russia’s Multilateral
Diplomacy in the Process of Asia-Pacific Regional Integration: The
Significance of ASEAN for Russia |
G. V. C. NAIDU |
Great Power Relations,
Regional Multilateralism, and International Relations of East Asia |
HA Yongchool and SHIN Beomshik |
Non-proliferation and Political
Interests: Russia’s Policy Dilemmas in the Six-party Talks |
FENG Shaolei |
Russia and
Contemporary East Asia: Also on the Interaction of
Sino-Russian-Japanese
Trilateral Relations in the Early Twenty-first Century |
Sergey VRADIY |
Russia’s Unofficial Relations
with Taiwan |
YOKOTE Shinji |
Russo-Japanese Relations in the
New Strategic Environment |