スラブ研究センターニュース 季刊 2009 年夏号 No.118 index

この1年を振り返って


昨年8月からセンター長を務めて、まもなく1年になります。この1年を振り返れば、「新しいスラブ研」をどうつくるかの間断ない闘いの日々でした。 就任当初から広報面を充実させるべく、スラブ研のHPに「窓」をつくり、時宜にかなったエッセイや最新のニュースが週替わりで動いていくような運営を始め ました。SRCレポートやメルマガの創刊など電子媒体をより有効に使った発信も少しずつ軌道にのってきました。

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しかしながら、私がセンターの業務を引き受けた時期は、いろいろな意味で大きな節目にあたっていたようです。21世紀COEは成功裏に終わりましたが、そ の次のプロジェクトはまだ模索の状態にありました。長年にわたってスラブ研のステータスを守ってきた全国共同利用施設も認定制度が刷新され、新たに制度化 された共同利用・共同研究の拠点としてスラブ研を申請する作業に奔走しなければなりませんでした。その長い闘いのプロセスの中で、昨年秋、まず田畑伸一郎 教授が代表を務める新学術領域研究「ユーラシアの地域大国比較」が採択されたことが、大きな勇気を与えてくれました。その後、研究員の多くが基盤(A)や 基盤(B)などの科研プロジェクトを首尾良くたちあげ、グローバルCOEプログラム「境界研究の拠点形成」が採択され、さらには念願の共同利用・共同研究 拠点に認定されるに至り、1年前には全く予想しえなかったポジショニングを、今、スラブ研は得ることができました。

この一連の「成功」はスラブ・ユーラシアにかかわる研究コミュニティのみなさま方のご支援とご指導の賜に他なりません。改めてみなさまに心よりお礼申し上 げます。大きなプロジェクトに併せて、スラブ研は「地域大国研究」や「境界研究」など本来の守備範囲を一歩踏み出した「拡大スラブ研」としての機能も始動 させていくことになりますが、あくまでこれまでスラブ研が足場としてきた原点や培ってきた役割を決して見失うことがないよう、センターの全員が自覚と覚悟 をもって今後より一層の事業展開に全力を尽くしていく所存です。どうぞ今後とも引き続き、スラブ研の活動にご理解とご協力のほどをよろしくお願い申し上げ ます。


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