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サッカーの視点から見たウクライナの政治変動
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研究員の仕事の前線
スラブ・ユーラシアの今を読む:ウクライナ情勢特集1
2013年11月から3か月にわたるキエフでの反政府集会、2014年2月22日のヤヌコヴィチ大統領逃亡による政権崩壊、3月18日のロシアによるクリミア併合とそれに対する欧米・日本などの非難と、ウクライナ情勢およびロシアの介入は、世界の注目を集めている。ウクライナ、クリミアでは何が起きているのか。ロシアは何を狙っているのか。一連の動きは、ポスト・ソ連空間と世界にどのようなインパクトを与えるのか。本特集ではこれらの問題を、スラブ・ユーラシア研究センター内外の研究者が、さまざまな角度から分析する。
連載の第1回では、ロシアNIS貿易会・ロシアNIS経済研究所の服部倫卓氏が、サッカーというユニークな視点から、政変の背景、ウクライナ国内の地域間関係と国民意識などを論じる。
サッカーの視点から見たウクライナの政治変動
はじめに
筆者はすでに、ウクライナの直面する東西選択の問題を経済的利害の観点から分析したレポート1 、ウクライナが陥っている経済難を図表を駆使して解説したレポート2 、そして今般のウクライナ政変を自分なりに総括したレポートを発表している3 。これらの既出レポートで述べたことを単に焼き直すのでは芸がないので、本稿では新たな切り口を提示したい。突飛に思われるかもしれないが、サッカーというプリズムを通じて、ウクライナの政治変動につき考察してみたい4。
マスコミなどでウクライナ情勢が伝えられる際に、判で押したように、「ウクライナの東西分裂」、「親欧米の西部、親ロシアの東部」という図式が語られる。そうした図式に、事実の一端が含まれていることは、否定するまい。しかし、単純な東西二元論ばかりが横行して、そこに潜んでいる様々なニュアンスが顧みられていないのは、大きな問題だと考える。私見によれば、今回取り上げるサッカーこそ、そうしたステレオタイプに反省を迫る格好の題材である。
地域派閥同士が争うエスタブリッシュメント
ウクライナ・サッカーのエスタブリッシュメントの勢力図を眺めてみると、いわゆる「東西分裂」という図式には必ずしも合致しないものの、首都キエフの派閥と、東のドネツィクの派閥とによる主導権争いがあり、それが政治状況と連動して動いてきたということが言える。
L.クチマ大統領の時代から当国のサッカー界を牛耳っていたのは、フリホリーとイーホルのスルキス兄弟であった。兄弟は首都の名門クラブ「ディナモ・キエフ」を保有し、兄のフリホリーは一時ウクライナ・サッカー協会会長とウクライナ・プレミアリーグ(同国の最高峰のリーグ)会長を兼任していた。
しかし、R.アフメトフ氏がドネツィク州の鉄鋼業を基盤に巨万の富を築き、地元のサッカー・クラブ「シャフタール・ドネツィク」の強化に乗り出すと、サッカー界の力関係が変わってくる。2000年にアフメトフはフリホリー・スルキスをプレミアリーグ会長の座から引きずり下し、自派のR.サフィウリンを同ポストに据えることに成功する。2002年にドネツィク州出身のV.ヤヌコーヴィチが初めて首相に就任するに当たっては、アフメトフがシャフタールのサポーター軍団をキエフに送り込んで、ドネツィク閥の力を誇示したこともあった。
さらに時は流れ、2012年6~7月にはウクライナ・ポーランド共催でサッカーのヨーロッパ選手権(UEFAユーロ2012)が開催された。この大会を無事に終えると、フリホリー・スルキスはウクライナ・サッカー協会会長からも退任し、後任にはドネツィク派であるA.コニコフが就いた。なお、2008年からプレミアリーグ会長を務めているV.ダニロフは、ティモシェンコ派の最高会議議員ではあるが、キエフVSドネツィクという対立構図の中では中立的な立場と位置付けられる。
図1は、上述の幹部人事と、ウクライナ政治およびサッカーの主な動きを整理したものである。ドネツィク派のサフィウリンとコニコフは、シャフタールのチームカラーであるオレンジ色で表示した。オレンジ革命とは関係ないので、ご注意願いたい。キエフ派のスルキスは、ディナモ・キエフのチームカラーの青で表示しており、これも地域党の青色とは関係がない。ウクライナでは、政治とサッカーで、色のねじれがあるわけだ。
近年のウクライナ・サッカー界で最重要なイベントだったのが、上述のユーロ2012である。この大会で、ウクライナ代表は初戦のスウェーデン戦こそ勝利するものの、その後のフランス戦、イングランド戦に連敗して、グループステージで敗退してしまった。まずいことに、初戦の会場がキエフであったのに対し、第2、第3戦の会場はドネツィクだった。案の定、ティモシェンコ派のM.トメンコという幹部が、「一度としてウクライナを応援したことのない街に、死活的な2試合を割り当てたことには、驚きを禁じ得ない」と公言し、物議を醸す一幕があった。
サッカー協会のコニコフ現会長は、今般の政変でその座を追われたヤヌコーヴィチ大統領と昵懇だっただけでなく、サッカー界でミニ・ヤヌコーヴィチのごとく振る舞い、協会を私物化していたようである。政変後、コニコフに対する批判が噴出し、同氏の立場は危うくなっている。また、プレミアリーグにおいては、シャフタール中心の大会運営に他のクラブが不満を抱いており、シャフタールVS他の全クラブ(その筆頭はディナモ・キエフ)という抜き差しならない対立構図が生じているという。
このように、ウクライナ・サッカー界のエスタブリッシュメントの動きを見る限り、ウクライナの地域対立、国家分裂の危機という一般的なイメージを裏付けているようにも思える。しかし、同じサッカーでも、草の根レベルの運動に着目すると、違った景色が見えてくるのである。
伏線となったパヴリチェンコ事件
今回の政変に至ったウクライナ政治の底流と、そこにおいてサッカーが果たした役割を理解する上で、見逃せないのが、「パヴリチェンコ事件」である。
事のあらましは、こうである。2011年3月にキエフで、ある裁判官が殺害される事件が起きた。警察は容疑者としてパヴリチェンコ親子を逮捕。その息子の方が、ディナモ・キエフのサポーターであった。証拠は怪しいものばかりで、冤罪の疑いが強かったが、2012年10月、裁判所は有罪判決を言い渡した(父ドミトロは終身刑、息子セルヒーは禁固13年)。この一件を受け、警察の専横と恣意的な裁判に抗議し、ディナモのサポーターを中心に、全ウクライナのスタジアムで抗議行動が巻き起こった。その様子は、YouTubeにも多くの動画が投稿されており、一例として次の動画をご紹介する。
ちなみに、今般の政変の最中、2014年2月24日に、最高会議(議会)の決定により、親子は解放された。ヤヌコーヴィチ政権の崩壊を受け、まずティモシェンコ元首相らの政治犯が解放されたのだが、「パヴリチェンコ親子にも自由を!」と叫ぶデモ隊が議会に詰め掛けたことから、親子も「政治犯釈放」の一環として追加で自由の身となったものである。
管見によれば、この冤罪事件は、2つの意味で、サッカーが政変の一つの推進力となっていく下地を作った。第1に、若者が反政府抗議行動に参加する土壌が作られたことである。ヤヌコーヴィチ政権が冤罪事件に直接関与していたかどうかは別として、サポーターたちは腐り切った警察や司法をヤヌコーヴィチ体制と同根のものと見なし、政権への敵意を募らせていったに違いない。そして、その怒りを実際にスタジアムの内外で爆発させることを体験した。発煙筒や花火を使い慣れたサポーターにとって、それを火炎瓶に持ち替えることの敷居は低かったはずだ。第2に、ウクライナ全土のサッカー・サポーターたちが、地域やクラブの垣根を越えて、団結していくことを促した。上掲の動画を見ても、キエフを発火点とする運動が、ウクライナ全土のスタジアムに野火のように広がっていった様子が見て取れる。
バリケードのどちら側で戦うか
「チトゥーシキ」という新語は、今般のウクライナの政変劇を理解するのに欠かせないキーワードの一つと言える。チトゥーシキとは、反政府集会・デモを妨害するために、地域党政権や治安当局によって雇われた私服のギャング・用心棒のような連中のことを指している。2013年5月に当局の息のかかったヴァディム・チトゥーシコという格闘家がジャーナリストを襲う事件が起き、同氏の名前をとって体制側に雇われた用心棒的な連中をチトゥーシキと呼ぶようになった。
ウクライナ・サッカーでは、首都のディナモ・キエフを除けば、シャフタール・ドネツィク、メタリスト・ハルキウ、ドニプロ・ドニプロペトロウシクといった東部の重工業地帯を本拠地とするクラブが、強力な動員力を誇る。サポーターは若い男性ばかりで、お世辞にも柄の良い人々ではない。2013年11月に始まった反政府デモが徐々に過激化していくと、政権当局はサッカーのサポーターを囲い込み、私兵として使うことを試みたようである。実際、上述のように、2002年当時はオーナーのアフメトフがシャフタールのサポーターを大挙してキエフに送り込み、同郷のヤヌコーヴィチの首相就任を後押ししたこともあったのだ。今回もヤヌコーヴィチは、シャフタール(ウクライナ語で炭坑夫の意味)の援軍が駆け付けてくれることを期待していたに違いない。
しかし、各クラブのサポーター組織は、予期せぬ動きを見せた。SNSなどを通じて、当局に買収されチトゥーシキになったりしないよう、メンバーたちに呼びかけたのである。むしろ、サポーターたちが組織的にキエフおよびその他の都市のマイダン(反政府デモの現場)に馳せ参じる動きが拡大していく。マイダンでは、ウクライナ国旗やEU旗に交じって、サッカー・クラブの旗も振られていた。
こうした中、ウクライナ・サッカー協会のコニコフ会長は、1月28日に発表したサポーター向けの声明で、サッカーと政治を区別するよう呼びかけた。会長は、サッカーが政治的な決定を下すための圧力の手段になってはならず、もしもサポーターが自らのクラブの旗を掲げて政治的な主張をしたら、それはもはや個々の市民ではなくサポーター・グループとして行っていることになってしまうので、それは自重してほしいと呼び掛けた。同じ頃、シャフタール・ドネツィクやメタリスト・ハルキウといったクラブも、サポーターに自制を求めるアピールを出している。
むろん、ドネツィクやハリコフといった東部のクラブのサポーターのうち、どれくらいの割合の人々が反政府側に加勢したかといったことは、検証しなければならない。また、反政府デモ隊に占めるサッカー・サポーターの勢力がどの程度であったかということについても、慎重に見極める必要がある。ただ、筆者は個人的に、それが決して例外的・挿話的な現象ではなかったという印象を受けている。実際、ドネツィクからキエフの革命現場に駆け付けて亡くなったシャフタールのサポーターもおり、政変後のキエフの街角には同氏を悼むタオルマフラーが掲げられる光景があった5 。少なくとも、「東部=親ロシア」といった色眼鏡では、到底理解できない現象である。
地域分断を超えて
特筆すべきことに、政変劇がクライマックスに達していた2014年2月22日、ウクライナのほぼすべてのサッカー・クラブのサポーター組織による和解宣言というものが調印された。「ルハンシクからリヴィウまで」と題されたその宣言では(それぞれウクライナの東端と西端の都市)、民衆が治安当局と衝突しているという国難の中で、サッカー・クラブのサポーター同士が対立し合うようなことがあっては国の分裂にも繋がりかねないという危機感が示され、サポーター同士の場外乱闘やお互いのクラブのシンボルを侮辱するようなことを禁止することを約束し合ったのである。ある意味で、政治にも先駆けるような形で、ウクライナの地域分裂を乗り越えようとする動きが、サッカーから生じたわけである。ちなみに、この時点ではクリミアの2クラブ、すなわちタヴリヤ・シンフェロポリ、FCセヴァストポリのサポーター組織も宣言に加わっている6 。
もう一つ、きわめて興味深い出来事があった。ウクライナのサッカー・プレミアリーグは西欧と同じ秋春制を採用しているが、寒冷地につき長い冬季中断がある。当初の予定では、3月2日に中断が明けリーグ戦が再開するはずだった。しかも、同節にはディナモ・キエフVSシャフタール・ドネツィク戦という、ナショナルダービーと位置付けられる注目の一戦が組まれていた。しかし、政情不安ゆえこの時点では開催が不可能であり、結局リーグ戦再開は2週間延期された。そうしたなか、本来であればディナモVSシャフタール戦があったはずの3月2日、キエフのオリンピック・スタジアムで、両クラブのサポーター同士の親善試合が行われた。試合は「一体性マッチ」と名付けられ、結果は1:1の引き分けに終わった。試合後には、出場したプレーヤーと観客全員がウクライナ国歌を斉唱し、このイベントを締め括った。
ディナモ・キエフVSシャフタール・ドネツィクは、因縁の対決である。スペインで言えば、レアル・マドリードとFCバルセロナの対決のようなものだ。FCバルセロナがカタルーニャ地方の民族・独立運動を背景としているだけに、その戦いは熱を帯びる。一方、ウクライナにおいては、ディナモとシャフタールのライバル関係がそれに劣らず激しいにもかかわらず、現時点でシャフタール・サポーターの主流派は分離主義ではなく、あくまでもウクライナの一体性を希求しているのである。
むろん、シャフタール・サポーターは一枚岩ではない。2月27日、UEFAヨーロッパリーグ(クラブの国際大会)の一戦がドネツィクで戦われた際、試合開始前にマイダンでの衝突で犠牲になった人々への黙祷が呼びかけられた。しかし、下の動画に見るように、一部のサポーターが、「ベールクト!」というチャントを送って黙祷を妨害し、ロシア国旗を掲げるという暴挙に出た(「ベールクト」というのは、キエフの反政府デモの鎮圧に当たった治安部隊のこと)。一方、そのチャントに対するブーイングも発生した。他の映像などと照らし合わせて見ると、ベールクト支持派はどちらかと言うと少数派と思われ、多くのサポーターはウクライナの国旗を振ってマイダンへの連帯を示しているようだが、いずれにしてもスタンドは分裂している。
ソ連を知らない子供たち
元々、ウクライナのサッカー観戦の現場では、暴力沙汰が珍しくなかった。地元サッカー・クラブを応援することは、地域主義の最たるものであろう。しかし、まさにそのサッカーのサポーターの間から、政治にも先駆けるような形で、ウクライナの地域分断を超克し国民的和解を達成しようとする動きが生じたことは、きわめて興味深い。リーグ戦再開後、スタジアムでは何の衝突も起きておらず、そこには純粋なウクライナ愛が溢れている(ただし、クリミアを本拠地とする2クラブを巡っては不穏な空気もあるが)。各党が好き勝手なことを言い合っている最高会議の殺伐とした光景とは、好対照である。私見によれば、ウクライナの政治変動を理解するには、地域だけでなく、世代にも着目する必要がある。この間ウクライナが直面してきたEUかロシアかという地政学的な選択に関して言えば、確かに西部および中部の住民はEU寄り、東部および南部の住民はロシア寄りという傾向があった。しかし、世代間で見ても、かなりはっきりしたコントラストが表れている。図2は、キエフ国際社会学研究所が2013年11月に実施した全国世論調査7 で、もしもウクライナの対外戦略を問う国民投票が行われたらどのように投票するつもりかを回答者に問うたものだが、若い世代ほどヨーロッパ志向が強く、高齢層ではロシア圏への郷愁が根強いというパターンが顕著である。そして、ウクライナのサッカースタジアムに詰めかける観客の大多数が青少年である以上、東部のクラブを含め、サポーターの間でロシアではなくユーロマイダンへの支持が優勢になるのも、道理である。彼らは、物心ついた時にはもうソ連という国はなく、独立ウクライナで教育を受け育った世代である。彼らはもはや、ボスに動員される存在ではなく、SNSで連絡を取り合って自発的に行動する者たちである。
今回筆者がウクライナ政変とサッカーのかかわりに関する情報を収集した中で、T.マルィという現地のジャーナリストが次のように論じていたのが、きわめて新鮮だった。すなわち、ウクライナ各クラブのサポーターたちは、自分たちのチームを応援するために、国内のあらゆる地域を訪れている。その経験から、彼らは知っているのだ。実は言語による障壁など存在しないことを。ウクライナが、バンデラ派の西部と、ロシアとの統合を夢見る東部に分裂しているなどという話は、事実に反することを。そういう神話は、政治家が利用しているだけなのだと、彼らは理解しているのだ。マルィはこのように論じている8 。
言い換えれば、サポーターたちは国内各地を転戦することでウクライナを発見し、その行動範囲を自らが属す共同体として想像するようになったということだろう。さらに、強豪クラブの場合には、ウクライナ国旗を掲げてヨーロッパの国際大会にも参戦するので、それによってさらに国民意識が涵養されることになるはずだ。してみると、今回の政変の過程でサッカーのサポーターたちがウクライナの一体性を擁護する急先鋒になったことも、合点が行く。
メタリスト・ハルキウVSチョルノモーレツィ・オデッサの試合の様子
服部倫卓(はっとり・みちたか)
一般社団法人ロシアNIS貿易会・ロシアNIS経済研究所 次長
東京外国語大学外国語学部ロシヤ語学科卒。青山学院大学大学院国際政治経済学研究科修士課程修了。
著書に、『不思議の国ベラルーシ:ナショナリズムから遠く離れて』(岩波書店、2004年)、『ウクライナ・ベラルーシ・モルドバ経済図説』(ユーラシア・ブックレットNo.170、東洋書店、2011年)などがある。
ホームページは、http://www.hattorimichitaka.com
*本稿の内容は、スラブ・ユーラシア研究センターおよび執筆者の所属機関など、いかなる組織を代表するものでもなく、執筆者個人の見解です。
1.拙稿「ウクライナの東西選択と経済的利害」『ロシアNIS調査月報』(2014年1月号)。
2.拙稿「図表で読み解くウクライナ経済の現実」『ロシアNIS経済速報』(2014年3月5日号、No.1621)。
3.拙稿「ウクライナのユーロマイダン革命」『ロシアNIS調査月報』(2014年4月号)。
4. 筆者が受けたインタビュー「日本で語られない『スタジアムから見たウクライナ情勢』」『徹マガ』(2014年4月28日号、No.188)も併せて参照していただければ幸いである。
http://yakan-hiko.com/utsunomiya.html
5. 2014年3月4日に北海道大学スラブ研究センターにおいて開催された北海道スラブ研究会における藤森信吉氏の報告「ウクライナの『東西選択』を考える」。
6. http://ultras.org.ua/01372.html
7. http://www.kiis.com.ua/?lang=ukr&cat=reports&id=204&page=2
8. http://zaxid.net/home/showSingleNews.do?pro_fanativ_bez_fanatizmu&objectId=1304278