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沿革と概要

沿革・組織



センターの歴史は、1953年6月24日、北海道大学にスラブ 研究室が組織されたときに遡ります。これはロシア(ソ連)を はじめとするスラブ地域との関係が深かった北海道の地に、 日本のスラブ研究の核を作ろうとする歴史的な試みでした。 1955年7月1日、スラブ研究室は北海道大学法学部附置スラブ研究所(後にスラブ研究施設に改称)として官制化され、 わが国唯一の総合的なスラブ地域研究機関として活動することになりました。そして1978年4月1日、北海道大学共同教 育研究施設に改組されるとともに、スラブ研究センターと改称されました。


進する研究教育活動
1990年6月7日、広く国内の研究者の研究推進に資することを目的とした全国共同利用施設に認定されました。 1995 ~ 2001年度には文部省より「卓越した研究拠点」 (COE)の指定を受け、大型プロジェクトである重点領域研究 「スラブ・ユーラシアの変動」(1995 ~ 1997年度)が採択されました。また2000年には文学研究科のスラブ社会文化論 専修として大学院教育に参画しました。 その後、21世紀COEプログラム「スラブ・ユーラシア学の 構築」(2003 ~ 2007年度)、若手研究者インターナショナル・ トレーニング・プログラム(2008 ~ 2012年度)、新学術領域 研究「ユーラシア地域大国の比較研究」(2008 ~ 2012年度)、 グローバルCOEプログラム(GCOE)「境界研究の拠点形成:ス ラブ・ユーラシアと世界」(2009 ~ 2013年度)などの大型プ ロジェクトが採択され、スラブ・ユーラシア地域研究の世界 的拠点として活動しています。


ラブ・ユーラシア研究センターへの改称
センターは長い間「スラブ研究センター」として親しまれてきましたが、研究対象である旧ソ連・東欧諸国がスラブ系の言語・民族だけの地域ではなく、テュルク、フィン・ウゴル、 カフカス、バルトなどさまざまな系統が共存する豊かな多様性を持った地域であることを、この名称は反映していません でした。特にソ連とユーゴスラビアの解体後は非スラブ系の独立国が増え、旧ソ連・東欧地域全体をスラブと呼ぶのはま すます難しくなりました。そのためセンターでは「スラブ・ ユーラシア」という言葉を考案して、1990年代半ば以来さまざまな研究プロジェクトや、国際シンポジウム、出版物などで使い、国内外に普及させてきました。さらに近年センターは、比較研究や境界研究を通して、中国、インド、中東といった ユーラシア諸地域の研究とも連携を深めてきました。このような変化を受けて、センターは2014年度から「スラブ・ユー ラシア研究センター」に改称しました。旧ソ連・東欧地域の 研究という基本的な使命は変わりませんが、今後ますます、こ の地域内の多様な国・地域の研究を発展させ、さらにはユー ラシア諸地域の研究をつなぐハブとしての機能を果たしていきます。


際的な研究の拠点として
センターの活動や資料は国内外の研究者や市民に広く開かれています。関連分野の研究者と幅広く連携して共同研究を進め、また国外に対しては日本の研究の対外発信力を強化することを目指します。国内のスラブ・ユーラシア研究や地域研究の連合組織である日本ロシア東欧研究連絡協議会(JCREES,1998年発足)や地域研究コンソーシアム(JCAS,2004年発足)の運営にも積極的に関わっています。 センターは数多くの外国の研究機関と密接な研究協力を行っており、アメリカ、オランダ、中国、フランス、イギリス、ロシア等の諸大学・研究機関と学術交流協定を結んでいます。

 


同利用・共同研究
2009年6月25日、センターはこれまでの全国共同利用施設 のステータスを拡充した共同利用・共同研究拠点(2010 ~ 2015年度)として認定されました。 共同利用・共同研究の拠点として、センターは国内の研究コミュニティに対して、その蔵書や資料の活用を軸とした共同利 用及びプロジェクトの提案をベースとした共同研究の公募を 毎年行っています。 またセンター研究部門の各部門および各専任研究員は、それ ぞれの分野において共同研究にふさわしいテーマを随時設定 し、共同研究員をはじめとする学内外の研究者との連携のもとに、数年単位の共同研究を行っています。これらのプロジェクト遂行のために、科学研究費補助金などの競争的資金を獲得しています。 GCOEプログラムや新学術領域研究のような大型のプロジェ クトの場合は、センター全体で総合的な共同研究を遂行しています。 2015年度の科学技術・学術審議会による期末評価では、「ス ラブ・ユーラシア地域研究にかかわる拠点としての活動が活 発に行なわれており、共同利用・共同研究を通じて特筆すべき 成果や効果が見られ、関連コミュニティへの貢献も多大であっ た」と評価され、4段階のうち最高のS評価を受けました。


織図 組織図


理運営機関躍
センターの管理運営機関として、センター専任研究員と学内関係教員からなる協議員会と学外関係者を交えた運営委員会があります。協議員会はセンターの運営方針、予算、組織などの重要事項を審議する、いわば、大学院研究科や学部の教授会にあたる組織です。 文部科学省による共同利用・共同研究拠点の認定に伴い、2010年度からは、運営委員会は拠点運営委員会と審査委員会に改組され、前者はセンター長の諮問機関としてセンターの共同利用・共同研究の諸活動について審議する機能を、後者はセンターが行う共同利用・共同研究にかかわる公募を審査する機能を果たします。 なお、拠点運営委員会と審査委員会のメンバーには、半数以上が学外からの招聘者です。


究部
センターは研究部、情報資料部、事務室からなっています。 研究部はロシア部門、シベリア・極東部門、中央ユーラシア部門、東欧部門、地域比較部門から構成されていますが、学際的、 総合的な研究ができるよう、部門同士が柔軟に結びついて活 動しています。また研究部の専任研究員は、国内外の様々な共同研究を組織・運営し、研究成果の国際的な発信に努めています。  研究部には専任研究員のほか客員研究員、外国人招聘教員が属しています。客員研究員は、国内の大学等の研究者6名 程度を、原則として毎年公募によって招聘しています。外国人招聘教員は毎年複数名がセンターに滞在して研究会などの 活動に参加しています。その選定は公募によって行われ、毎 年50を超える応募が世界中から来ています。 このほかに、学内・学外の研究者が共同研究員として、セン ターの共同研究を遂行しています。現在、全国に150名余り の共同研究員がいます。


報資料部・事務室
情報資料部は資料の収集・管理、成果の出版、研究補助にあたります。さらに、センターのホームページや情報機器の監理、ネットワーク・サポートも行っています。事務室はセンターの運営に関する事務及び研究活動支援、 広報を行います。こまやかなサポートがセンターの日常的な様々な研究活動を支えています。

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