旧ソ連圏スラブ・ユーラシア世界の現代文化の特徴を、東西文化の対 話と対抗という位相で分析する。 
旧ソ連圏の中で文明史的に重要な意味を持つ地域を対象とし、言語学、文学、芸術学、思想史、歴史学、文化人類学、政治学の手法を用いて比較研究を行う。
中心となる研究課題――ヨーロッパ文化、アメリカニズム、東洋文化への親和と反発/宗教的・民族的・国家的アイデンティティの相関/文化思想における原理 主義と功利主義の対立/ロシア帝国・社会主義ソ連の文化遺産の現代的意味/東西文化の関係論から見たこの地域の文化表象の特徴/将来的平和共存の展望とそ の条件。
第1班:旧ソ連文化圏における東西文化の パラダイム 
望月哲男: 
東西文化論の歴史・文化学的背景 
亀山郁夫: 
民族文化と国際文化の関係論 
松里公孝: 
帝国の論理と東西文化 
三谷恵子: 旧ソ連言語文化圏の変容 
楯岡求美: 
文化政策と地域統合 
第2班:ロシア・東スラブにおける東西文 化のパラダイム 
沼野充義: 
ロシア・スラブ語文化の世界性 
貝澤 哉: 
スラブ・アイデンティティの東西文化論的意味 
杉浦秀一: 
宗教哲学における東西文化のパラダイム 
岩本和久: 
文芸における東西文化のパラダイム 
鴻野わか菜: 
スラブ文化圏における異民族のアイデンティティ 
第3班:中央アジア・コーカサスにおける 東西文化のパラダイム 
宇山智彦: 
中央アジアにおけるオリエンタリズムとオクシデンタリズム 
前田弘毅: 
民族主義の形成と東西文化の関係性 
中村唯史: 
紛争と文化の相互理解 
坂井弘紀: 
伝統文芸における東西文化の自意識