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大学院ニュース 2011年5月2日
2010年度大学院共通授業「地域研究と国際協力の接点」を開講
スラブ社会文化論専修は主としてアカデミックな研究の訓練をする場ではありますが、地域研究者にとって国際協力の現場感覚は非常に大切なものであり、また国際協力関連の仕事は院生の就職にとっても重要な選択肢の一つです。そこで、2010年度後期の大学院共通授業「スラブ・ユーラシア学 T」では、「地域研究と国際協力の接点」をテーマに、国際協力・外交関係の機関で活躍する人々や、国際協力に携わった経験を持つ研究者の話を聞きながら、地域研究者が国際協力にどのように貢献しうるのか、また実務家として働く場合に地域研究の知見をどのように活かしうるかを議論することにしました。授業は 2011年1月31日(月)〜2月2日(水)の3日間、集中講義形式で行われ、各講義の講師・題目は以下の通りでした(講師の肩書は当時のもの)。
- 宇山智彦(センター)「序論:地域研究者にとって国際協力とは何か」
- 北野尚宏(JICA東・中央アジア部長)「中央アジアに対する日本と中国の経済協力」
- 福田宏(センター)「事例としての中欧地域:ODAの「卒業生」とどう付き合うか」
- 内田一彦(外務省第四国際情報官室上席専門官)「ロシアCIS諸国における外交活動の現場と研究者の役割」
- 下社学(JETRO海外調査部主幹)「わが国の対中央アジアビジネスの現状と今後の展望」<
- グロムジョン・ジュラ・ボボゾダ(駐日タジキスタン大使)「中央アジアにおける開発と地域協力」(特別講演)
授業にはスラブ社会文化論の院生のほか、他研究科(医学、教育学、理学、農学)の院生なども参加しました。 そして援助と国益の関係や、他の大国、特に中国の力が増す中での日本の国際協力のあり方などについて、極めて熱心に議論が行われました。 日本人学生が、日本の国際的プレゼンスの小ささに悲観的になりがちなのに対し、むしろ外国人学生たちが日本の援助を評価し、 日本はもっと自信を持つべきだと発言していたのが印象的でした。
若手研究者・院生と外交・国際協力の接点としては、大使館専門調査員の仕事が比較的意識されやすく、今回の授業でも関心を集めました。 しかしそれ以上に、国際協力を専門として第一線で活躍する実務家の話は、院生が普段接することのないさまざまな立場からのものの見方を教えてくれ、 大変刺激になったとの感想が院生から相次ぎました。多忙な本務のスケジュールの合間を縫って来札してくださった講師の皆様に、お礼を申し上げます。 また、授業に参加した、所属・専門を異にする院生たちの間では、その後も交流が続いているようです。
内田外務省上席専門官による講義風景
講演するボボゾダ・タジキスタン大使