スラブ研究センターニュース 季刊 2008 年夏号 No.114 index

研究の最前線


専任研究員セミナー

ニュース前号以降、次の専任研究員セミナーが開かれました。

4 月17 日:山村理人「ウクライナ農業:ポストソ連期の構造変動と政策展開」
センター外コメンテータ:山崎亮一(酪農学園大)
5 月7 日:松里公孝“Inter-Orthodoxy Relations and Trans-border Minorities around Unrecognized Abkhazia and Transnistria”
センター外コメンテータ:井上まどか(清泉女子大)

山村報告は,2006 年度に実施されたプロジェクトの報告書用に書かれたもので、ウクライ ナ農業の90 年代以降の動向や問題点が包括的にまとめられたものでした。様々な論点につい てより深みのある分析を求めるコメントが多く出されたように思われました。

[田畑]

松里報告は、昨年のAAASS 年次大会で報告したペーパーに、2 月のグルジア出張の成果 を加味して完成したもので、Religion, State & Society での掲載が決まっているものでした。非 承認国家であるアブハジアとプリドニエストルがたまたま正教会の縄張り争いの対象である こと、また、モルドヴァ人、メグレリ人という典型的跨境民族が住んでいることに注目して、 環黒海広域政治の一環として、当該地を見る試みです。井上氏は、宗教学の立場からコメン トしました。議場からは、論点を欲張りすぎて構成がごちゃごちゃしているという批判がな されました。

[松里]

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