|
|
● 開講にあたって
スラブ・ユーラシア地域において社会主義体制が崩壊してから約10年が経ちました。 この10年間で旧社会主義諸国は著しく分化し、欧州秩序に組み込まれることを選択した国、良きにつけ悪しきにつけ独自の道を選んだ国、進路不鮮明なモラト リアム状態の国、破局的な内戦に突入した国・地域などが現れました。たとえスラブ・ユーラシア地域の過去10年間が順風満帆なものでなかったとしても、そ の国民が私たち日本人にとって隣人・ご近所であることは変わりありません。本講座では、スラブ・ユーラシア地域の中でも特に「熱い地点」を選んで、ややも すれば誤解されやすいその地域の現状を紹介し、さらに紛争の歴史的・民族的・宗教的な背景をわかりやすく説明します。
社会主義諸国の崩壊が、世界史上、20世紀後半の最大事件だったとするならば、その後10年間のスラブ・ユーラシア地域の経験を概観することは、私たち人 類がどのような状態で次の世紀を迎えようとしているのか一考する機会にもなでしょう。皆様の積極的な参加をお待ちしております。
(スラブ研究センタ−)
● 開講日程
毎週月・木曜日 午後6時30分〜午後8時30分日 程 | 講 義 題 目 | 講 師 | |
第1回 | 5月 8日(月) | エリツィン後のロシア政治 | 北海道大学スラブ研究センター 教 授 皆 川 修 吾 |
第2回 | 5月11日(木) | 負けそうで負けないクチマ :ウクライナ政治と1999年大統領選挙 |
北海道大学スラブ研究センター 教 授 松 里 公 孝 |
第3回 | 5月15日(月) | 第2次チェチェン戦争の行方 :コーカサスにおける文明の衝突? |
東北大学大学院国際文化研究科 教 授 北 川 誠 一 |
第4回 | 5月18日(木) | ロシアは世界経済にどう組み込まれるのか | 北海道大学スラブ研究センター 教 授 田 畑 伸一郎 |
第5回 | 5月22日(月) | バルカンに砲声止む日は来るのか :コソヴォ空爆とクロアチアの政変 |
ユーゴ研究者 千 田 善 |
第6回 | 5月25日(木) | 中国の大国化、ロシアの混迷の下で極東の安全保障はどうなる | 山口県立大学国際文化学部 助教授 岩 下 明 裕 |
第7回 | 5月29日(月) | 『イスラーム原理主義』は中央アジアを席巻するか | 北海道大学スラブ研究センター 助教授 宇 山 智 彦 |