平成15年度 北海道大学スラブ研究センター公開講座

「サンクト・ペテルブルグ300年の歴史と文化」

 

 

● 開講にあたって

 かつてロシア帝国の首都であり、現在もモスクワに次いでロシア連邦の文化・学術・政治・経済・対外関係に屈指の地位を占めるサンクト・ペテルブル グは、今年(2003年)開基300周年を迎えます。18世紀初頭、ピョートル大帝によってネヴァ川のほとりに築かれたサンクト・ペテルブルグは、「ヨー ロッパへの窓」として、広大な領土を支配する帝国の中心として、ロシアの社会発展に大きな役割を果たしました。また、プーシキンやドストエフスキーの文学 作品によっても広く世界に知られてきました。第一次大戦の開始とともにペトログラードと改名した帝国の首都はロシア革命の舞台、ソビエト政権の発祥地とし て世界史にその名を刻み、革命の指導者レーニンが死去した年にレニングラードと改名されました。ソビエト体制の崩壊とともにふたたび古い名称を取り戻した この都市は、プーチン大統領の出身地としても知られています。
今回の公開講座は、その開基300年にちなんで、たぐいまれなロシアの都市サンクト・ペテルブルグに焦点をあて、3世紀にわたる歴史の歩みとそこに開花し た文化の諸相を平易な解説によって立体的に再構成する意欲的な試みです。皆様の積極的なご参加をお待ちしています。

(スラブ研究センター)


 

● 開講日程

毎週月・木曜日 午後6時30分〜午後8時30分
日  程 講 義 題 目 講   師
第1回 5月12日(月) サンクト・ペテルブルクの誕生 北海道大学文学研究科
  教 授       栗生沢 猛夫
第2回 5月15日(木) 幻想都市の文学――過去と現在 北海道大学スラブ研究センター
  教 授        望月 哲男   
第3回 5月19日(月) 科学研究都市としてのサンクト・
ペテルブルグ―帝政期を中心に
東京工業大学社会理工学研究科
  助教授       梶 雅範
第4回 5月22日(木) 劇的空間としてのサンクト・ペテルブルク――目で見る都市散策 神戸大学国際文化学部
  助教授  楯岡 求美
第5回 5月26日(月) 石と水の詩──聖都の20世紀詩人たち 稚内北星学園大学情報メディア学部
  教 授       鈴木 正美
第6回 5月29日(木) 英雄都市レニングラード
──900日の攻防戦とその後
北海道大学スラブ研究センター
  教 授        原 暉之
第7回 6月2日(月) サンクト・ペテルブルグと日本の文化交流
ピアニスト             土肥 睦子