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私はここスラブ研究センターで、1996年12月から1997年3月までの4か月を過ごした。当初、私はもう少し長期の予定で招待されていたが、 4か月間しか滞在することができず、そのことが非常に残念でならない。なぜなら、仕事の環境として、ここは理想的だからである。誰もが非常に親切で、力に なってくれた。特に私はセンター長の林忠行教授、松田潤氏、そしてもちろん私のホストで、純粋に技術的な性格の極めて些細な問題にすら時間を惜しまずに助 力してくださった井上紘一教授に感謝したい。もっとも、全てのことが非常によく組織化されていたため、それほど多くの問題があったわけではない。私はそう した全てのことに心から深く感謝したい。私はこの印象を書くように頼まれた際に、批判すべき点は特に遠慮せずにと言われたが、何ら批判すべき点はない。な ぜなら、全てが考えうる最良の方法で行われているからだ。だが、少なからず恒常化している問題が唯一あるとすれば、あるいはむしろ一連の小さな問題と言っ た方がよいかもしれないが、そうしたものに目を向けていくことにしよう。それは仕事のために提供されたコンピューターのことである。マクロソフトのワード とユードラという二つのソフトウェアを使用しているときに、常に何らかの問題が生じた。そのため、何度となく松田氏のもとへ相談に走ったのである。彼はい つも非常に有効なサポートを行ってくれたが、コンピューターで仕事をしている間に起こりうる典型的な事例に対処するために、どうすればよいかについて、の ぞむらくはロシア語もしくは英語で書かれた簡単な説明書をもらっていたならば、松田氏の手を煩わせる機会も減っただろうと思う。あらゆるコンピューターに は違いがあるものであるが、このコンピューターは私がモスクワで使用していたものとはひときわ違うものであった。解説書は、まさにこのコンピューターを 使って仕事をする仕方を勉強しなければならない最初の何日かにも有用であったと思われる。というのは、最初の2週間ほどは非常に簡単な事柄について、毎 日、松田氏に尋ねなければならず、彼はいちいち私にそれを教えなければならなかったのである。単純な規則を短いリストにして、機械をどのように操作したら よいか説明した解説書があれば、我々は二人とも相当の時間を節約できただろうと思う。私が言うことのできる批判点や提案はこれぐらいである。
私は幸いなことに二つの講演を行う機会に恵まれた。一つは何名かの学生に、もう一つは古代史研究会のメンバーに対して、私の主要研究テーマである シベリア・エスキモーの先史学の中のトピックについて講演した。来訪した研究者の特殊な専門的知識が大学の学生に提供されるという形で有効活用されること は、極めて重要なことであると思われる。私の場合、多少日本語を話すことができるのでこうしたことも簡単に行えたし、日本語のできない研究者の場合には通 訳が必要になろうが、普通ではなかなか知ることできない、外国に関する主題でその分野の専門家と合う機会が学生に与えられることの重要性は見過ごされるべ きではない。
最後に北海道大学、ならびに日本の文部省、そしてスラブ研究センターとその全ての教授陣、スタッフに対して、ここに来ることができたこと、そして実 り多い仕事ができたこと、この私の生涯の中でもユニークで幸せな機会が与えられたことに感謝の念を表したいと思う。