日本ロシア・東欧研究連絡協議会

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ICCEES Newsletter
(国際中東欧研究学会)

日中韓スラブ学会長の共同声明

松里公孝(SRC)

 センターニュース第113号で紹介した日中韓3国の共同シンポジウムに並行して、第1回の3国スラブ学会長サミットが開かれました。日本からは、袴田成樹JCREES会長の代理として宇多文雄副会長が出席しました。そこで合意された事項を2ヵ月かけて共同声明にまとめ、5月7日付で3会長が調印しました。このたび声明を和訳しましたので紹介します。

 この共同声明の内容のうち、中国のICCEES加盟はすでに実現されましたし、第1回スラブ・ユーラシア研究東アジア・コンフェレンスも、来年2月5~6日開催に向け、すでにパネル提案が締め切られたところです。この共同声明は、これからも、東アジア・スラブ研究者コミュニティを建設する上での道しるべとなるでしょう。

 なお、第113号で、今年2月の3国コンフェレンスを、「第1回スラブ・ユーラシア研究東アジア学会」として紹介しましたが、これは私の勇み足で、北大とソウル大の共催シンポを拡大したに過ぎないものに、このような名称を許すことは不適切であると韓国側からクレームがつきました。これについては私が陳謝し、正式に日中韓3学会が共催する、来年2月に北大で開催されるものが「第1回」のスラブ・ユーラシア研究東アジア・コンフェレンスとなります。


 
韓国スラブ学会(KASS)、東欧・ロシア・中央アジア研究中国学会(CAEERCAS)、および日本ロシア・東欧研究連絡協議会(JCREES)の代表者による共同声明
 制度化された学術コミュニティの不在こそが、東アジアにおけるスラブ・ユーラシア研究の発展を妨げている最大の原因であるという共通の認識に基づき、CAEERCAS、JCREES、およびKASSは以下の点で合意した。
1. 3組織はユーラシア・アジア的な視角を打ち出すことにより、世界のスラブ・ユーラシア研究の発展に寄与していく。この目的のために共同研究、セミナー、ワークショップ、出版、研究者・院生の交換等を組織する。
2. 3組織はスラブ・ユーラシア研究東アジア・コンフェレンスを年1回の定例行事として3国持ち回りで開催し、それを国際中欧・東欧研究協議会(ICCEES)の地域事業として認証させることに合意した。また第1回の東アジア・コンフェレンスを2008年末~2009年初頭に札幌で開催することに合意した。
3. コンフェレンス組織の円滑化を図るため、3組織は、それぞれの代表者から成る運営委員会を設立する。この委員会の主な役割にはコンフェレンスのテーマの設定、パネル・ペーパーの公募、ペーパーの水準管理を含む。
4. 3 組織はスラブ・ユーラシア研究国際コミュニティへの東アジアの貢献度を増大させていく。その手始めに3組織はストックホルムで2010 年7月26-31日に開催が予定されているICCEES第8回世界会議において、できる限り多くのパネルを組織することを目指す。
5. 3組織は2015年の第9回ICCEES世界会議を東アジアの都市に招致する可能性について真剣に検討する。もしこれが実現したなら、東アジアのスラブ研究者共通の名誉であり責任であるとの認識に基づき、東アジアのスラブ研究コミュニティ全体がホスト組織を援助するため全力を尽くす。
6. 3組織の代表は定期的に執行委員会を開くこととし、次回の委員会は札幌で2008年秋までに開催する。そこでは2010年のストックホルム世界会議への参加について、またICCEESと地方組織(KASSとCAEERCAS)の関係などについて入念に討議する。
 
2008年5月7日
  パク・スーヒョン
KASS代表
李静杰
CAEERCAS代表
袴田茂樹
JCREES代表

「スラブ研究センターニュース」115号(2008/11)から転載

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