ITP International Training Program



ICCEESに参加して

溝上 宏美

(ITP第2期フェロー、派遣先:オックスフォード大学聖アントニー校ロシア・ユーラシア研究センター)[→プロフィール



  去る7月30日から31日にかけて、ストックホルムで開かれたICCEESに参加し、報告をさせていただきました。英語での報告自体は今回で4回目になり、慣れも出てきてそれほど緊張はしなくなりましたが、今回は報告時間が15分と短かったため、歴史系で30分程度の報告に慣れている私には少し話足りない感がありました。ただ、逆に、いつもはある程度の長い時間話せるということに甘えていたということも感じました。報告したいポイントをできる限り絞り、自分の研究の要旨を簡潔に話すという点では、よい訓練になったと思います。実際には、分科会の最初のほうで私の前の報告者のパワーポイントが動かないというハプニングが起こり、急きょ報告の順番が2番目から最初に変わって若干報告時間も短くなるということもありましたが、途中で報告原稿の中で重要度の低いところを省いて何とか最後まで話終えることができました。とっさの判断でその場で文章を組み替えたので、もしかしたらこちらの伝えたかったことが伝えきれなかった部分もあったかもしれませんし、15分としても元の原稿が少し長かったのだなと反省するところもありますが、その場で乗り切れたことが自信となりました。


  ただ、反省点もあります。一番は、報告の内容でしょうか。自らの研究対象がイギリスであるため、報告の内容がどうしてもイギリス側からの視点になってしまったのですが、ユーラシア地域を扱うICCEESという場で他の方々がセルビアやアルメニア、中央アジアの移民などの話をしているなかでは、他の出席者の方との関心のずれがやはりあったようです。自分の研究内容から外れた報告をするのは難しいものの、聴衆の関心に合わせて、若干広めに話をすることが必要だったなと感じています。ただ、分科会では質疑応答の時間が非常に短く他の方に質問が集中してしまったものの、分科会の後で出席者の方から質問を受けたり、同じ報告者の方が興味を持ってくださったりしたようでしたので、参加したことは良かったと思いました。ICCEES自体はプログラムが100ページほどある大きな国際学会ですが、個別報告が行われる分科会自体は非常に小規模で、報告者、出席者の間の人間関係ができやすくなっています。報告者が多いこともあり、報告時間も質疑応答の時間も短いですが、分科会が終わったあと、部屋をでたあとに普段は築けない国際的な人間関係をつくるには非常によい場なのではと感じました。

[Update 10.08.23]




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