シリーズ・ユーラシア地域大国論 5
越境者たちのユーラシア
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目 次
刊行にあたって
序 章 国家の輪郭と越境(山根 聡)
第1章 地域大国に生きるムスリム(山根 聡)
——近代化に揺れる新興知識層
——メッカ巡礼に見る国家権力とムスリムの相互関係
第3章 周縁から見るイランの輪郭形成と越境(山口昭彦)
——あるクルド系名家の軌跡
第4章 2つの帝国とアルメニア人(吉村貴之)
——民族運動に及ぼす地域大国の磁場
第Ⅲ部 地域大国を語る
第5章 「帰還民」へのまなざし(岡奈津子)
——カザフスタンの在外カザフ人呼び寄せ政策と現地社会
第6章 口承史に映る国の輪郭(シンジルト)
——新疆ウールド地域における人・地・病
第7章 輪郭を描き出す(小松久恵)
——英国南アジア系移民文学に見るインドの姿
終 章 地域大国と向き合う個人(長縄宣博)
人名索引/事項索引
序 章 国家の輪郭と越境(山根 聡)
- 新たな世界秩序と非対称な存在
- 人の移動が紡ぐ大国の輪郭
第1章 地域大国に生きるムスリム(山根 聡)
——近代化に揺れる新興知識層
- 地域大国に生きるムスリム
- 居住地をイスラーム的文脈で判断する
- インド・ムスリムの聖遷運動
- ロシア・ムスリムによる国家像
- 中国ムスリムの「愛国愛教」
- ムスリムのネットワークで拡散する汎イスラーム主義
- 地域大国で台頭するムスリム知識層
——メッカ巡礼に見る国家権力とムスリムの相互関係
- ウンマの中のロシア
- 帝国の時代のメッカ巡礼
- メッカ巡礼と反帝国主義
- 冷戦の中で
- イスラーム大国へ——ロシア連邦と中華人民共和国
- 試練と可能性の間で
第3章 周縁から見るイランの輪郭形成と越境(山口昭彦)
——あるクルド系名家の軌跡
- 周縁在地勢力から見る地域大国の形成
- クルディスターンの辺境化とアルダラーン一族
- 群雄割拠時代
- カージャール朝支配の浸透
- 輪郭形成と越境
第4章 2つの帝国とアルメニア人(吉村貴之)
——民族運動に及ぼす地域大国の磁場
- 帝国と民族運動
- 19世紀のアルメニア社会をめぐる政治経済的状況109
- 2つの帝国で形成されたアルメニア人知識人の系譜
- 2つの帝国を越境したアルメニア民族政党
- 2つの帝国の戦争に翻弄されたアルメニア人たち
- 国民と離散民の二極構造へ
第Ⅲ部 地域大国を語る
第5章 「帰還民」へのまなざし(岡奈津子)
——カザフスタンの在外カザフ人呼び寄せ政策と現地社会
- カザフスタン独立と在外カザフ人
- 同胞呼び寄せ政策の変遷
- 現地住民とカザフ人移民
- 同胞呼び寄せ政策のジレンマ
第6章 口承史に映る国の輪郭(シンジルト)
——新疆ウールド地域における人・地・病
- 牧畜民にとっての歴史
- 変わりゆく人と人との関係
- 土地をめぐる人々の軋轢
- 病が結びあわす過去と現在
- 口承史に映る国の輪郭
第7章 輪郭を描き出す(小松久恵)
——英国南アジア系移民文学に見るインドの姿
- 「移民文学」に表れる帰属意識の変容
- 英文学界におけるブリティッシュ・エイジアン文学
- 移民第2世代以降の変わりゆく意識——反発から受容そして自負へ
- 想像のホームランドあるいは「私のインド」
- 作者の帰属意識——英国人かインド人か
- 「移民文学」の再考
終 章 地域大国と向き合う個人(長縄宣博)
- オサマ・ビンラディンの死
- 権力の媒介者
- 中核の価値を担う周縁の人々
- 思想の循環、交錯、そして境界の消失?
- 越境する方法としての伝記
人名索引/事項索引