出版物
スラブ・ユーラシア叢書- 1. 国境・誰がこの線を引いたのか-日本とユーラシア
- 2. 創像都市ペテルブルグ:歴史、科学、文化
- 3. 石油・ガスとロシア経済
- 4. 近代東北アジアの誕生―跨境史への試み
- 5. 多様性と可能性のコーカサス-民族紛争を超えて
- 6. 日本の中央アジア外交-試される地域戦略
- 7. ペルシア語が結んだ世界-もうひとつのユーラシア史
- 8. 日本の国境・いかにこの「呪縛」を解くか
- 9. ポスト社会主義期の政治と経済-旧ソ連・中東欧の比較
- 10. 日露戦争とサハリン島
- 11. 環オホーツク海地域の環境と経済
- 12. 北西ユーラシアの歴史空間
- 13. 紅い戦争のメモリースケープ
- 14. 北極の人間と社会
――持続的発展の可能性 - 15. 北東アジアの地政治
―米中日ロのパワーゲームを超えて - 16. 日本帝国の膨張と縮小
―シベリア出兵とサハリン・樺太
[スラブ・ユーラシア叢書 1]
国境・誰がこの線を引いたのか-日本とユーラシア
本書は、2006年5月に開催されたスラブ研究センター公開講座『ユーラシアの国境問題を考える」の講義録である。 2005年は年頭から国境問題をめぐって大荒れとなった。竹島問題(日本と韓国)、尖悶列島問題(日本と中国)がクローズアップされ「反日デモ』もエスカ レートする。竹島の島根県編入から100周年(日露戦争中の1905年に編入)、尖閣の沖縄編入から110周年(日清戦争中の1895年に編入)。日ロの国境を初めて 定めた通好条約からは150周年(1855年締結)。日本が抱える国境問題全てにとって節目となる年であった。 ところで、世間ではあまり知られていないが、実はユーラシア全体のスケールにおいては、国境問題は解決のへの機運が 高まっている(ロシアと中国、中国と中央アジア、中国とベトナムなど) 対照的に、日本が関わる国境問題は全く動かない。 これはユーラシアの「例外」と考えられるのか? それとも一時的な現象に過ぎないのか。本書は、いわば国境をめぐる日本とユーラシアの「対話」の書である。 編著: 岩下明裕 2006 年 6月 北海道大学出版会 (出版社のページへ) ISBN 4-8329-6661-8 C1031 定価1680円(税込)/A5判・200 頁 |
目 次
序 |
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第1章 | 日本の外で「固有の領土」論は説得力をもつのか:欧州戦後史のなかで考える | ...... 林忠行 | 1 |
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第2章 | 国境と民族:コーカサスの歴史から考える | ...... 前田弘毅 | 31 |
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第3章 | 旧ソ連中央アジアの国境:20世紀の歴史と現在 | ...... 帯谷知可 | 57 |
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第4章 | カシミールと印パ・中印国境問題 | ...... 吉田修 | 81 |
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第5章 | 竹島問題と日本の課題 | ...... 下條正男 | 111 |
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第6章 | 中国と日本・ASEAN間の国境問題:波立つ東シナ海と平穏な南シナ海 | ...... 石井明 | 137 |
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第7章 | 中ロ国境問題はいかに解決されたのか?:「北方領土」への教訓 | ...... 岩下明裕 | 161 |
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執筆者紹介 |