出版物
スラブ・ユーラシア叢書- 1. 国境・誰がこの線を引いたのか-日本とユーラシア
- 2. 創像都市ペテルブルグ:歴史、科学、文化
- 3. 石油・ガスとロシア経済
- 4. 近代東北アジアの誕生―跨境史への試み
- 5. 多様性と可能性のコーカサス-民族紛争を超えて
- 6. 日本の中央アジア外交-試される地域戦略
- 7. ペルシア語が結んだ世界-もうひとつのユーラシア史
- 8. 日本の国境・いかにこの「呪縛」を解くか
- 9. ポスト社会主義期の政治と経済-旧ソ連・中東欧の比較
- 10. 日露戦争とサハリン島
- 11. 環オホーツク海地域の環境と経済
- 12. 北西ユーラシアの歴史空間
- 13. 紅い戦争のメモリースケープ
- 14. 北極の人間と社会
――持続的発展の可能性 - 15. 北東アジアの地政治
―米中日ロのパワーゲームを超えて - 16. 日本帝国の膨張と縮小
―シベリア出兵とサハリン・樺太
[スラブ・ユーラシア叢書 8]
日本の国境・いかにこの「呪縛」を解くか
基盤研究(A)「ユーラシア新秩序の形成」及びグロバールCOE プログラム「境界研究の拠点形成」の成果として、日本の国境問題を網羅した『日本の国境・いかにこの「呪縛」を解くか』が北大出版会から「スラブ・ユーラシア叢書」シリーズの一つとして刊行されました。これは前著『国境・誰がこの線を引いたのか:日本とユーラシア』の続編にあたるもので、日本の問題により焦点が絞られています。 本書は、ボーダースタディーズに関心をもつ専門家のみならず、国境問題にかかわる実務家や一般の読者をも対象としており、北方領土・竹島・尖閣に特化されやすいナショナリズムの「領土問題シンドローム」を克服すべく、日本の「知られざる国境問題」にも焦点をあてています。12 月21 日には、(エッセイ執筆陣を除く)著者全員が一堂に会し、根室でブックトークをおこない、100 人を越える市民の前で議論をおこないました。 なお、本書は現在、北大博物館で開催されているグロバールCOE ブース展示「知られざる北の国境」(樺太国境標石2 号及び香月泰男「シベリヤ・シリーズ」の代表作「業火」の習作などの現物展示)のバックボーンともなっています。 編著: 岩下明裕 2009 年 12月 北海道大学出版会 (出版社のページへ) ISBN 978-4-8329-6717-5 定価1600円 |
目 次
序章 |
岩下明裕 |
「辺境」からの問いかけ |
1 |
第1部 |
海洋国家日本-「呪縛」との闘い |
||
第1章 |
山田吉彦 |
海に広がる国境の島々 |
15 |
第2章 |
長嶋俊介 |
離島と国境-行政概史と経営戦略 |
35 |
第3章 |
黒岩幸子 |
北辺国境地帯「北方領土」 |
65 |
第4章 |
原貴美恵 |
北方領土問題解決試案-北欧のオーランド・モデルから |
93 |
<エッセイ> |
工藤信彦 |
国境幻想-樺太で生まれ育ったものとしての |
115 |
<エッセイ> |
須藤真哉 |
北方領土問題の打開へ-カギ握る戦略的「四島返還」 |
123 |
第2部 |
国境イニシアチブ-「辺境」からのまなざし |
||
第5章 |
田村慶子 |
国境島嶼を考える-小笠原国境シンポジウムから |
135 |
第6章 |
古川浩司 |
国境地域の挑戦-自治体主導の「国際政策」にむけて |
149 |
第7章 |
山上博信 |
「屋敷まわり」としての小笠原 |
179 |
第8章 |
佐藤由紀 |
国境島嶼・小笠原の位置どりと国境意識-母島におけるアンケート調査を手がかりとして |
199 |
第9章 |
金成浩 |
オキナワ・パブリック・ディプロマシー |
225 |
あとがき-「境界研究の拠点形成」にむけて |
243 |
||
<詩> |
工藤信彦 |
国境 |
i |
領土 |
133 |
||
索引 |
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執筆者紹介 |