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[スラブ・ユーラシア叢書 8]

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 日本の国境・いかにこの「呪縛」を解くか

  基盤研究(A)「ユーラシア新秩序の形成」及びグロバールCOE プログラム「境界研究の拠点形成」の成果として、日本の国境問題を網羅した『日本の国境・いかにこの「呪縛」を解くか』が北大出版会から「スラブ・ユーラシア叢書」シリーズの一つとして刊行されました。これは前著『国境・誰がこの線を引いたのか:日本とユーラシア』の続編にあたるもので、日本の問題により焦点が絞られています。
本書は、ボーダースタディーズに関心をもつ専門家のみならず、国境問題にかかわる実務家や一般の読者をも対象としており、北方領土・竹島・尖閣に特化されやすいナショナリズムの「領土問題シンドローム」を克服すべく、日本の「知られざる国境問題」にも焦点をあてています。12 月21 日には、(エッセイ執筆陣を除く)著者全員が一堂に会し、根室でブックトークをおこない、100 人を越える市民の前で議論をおこないました。
なお、本書は現在、北大博物館で開催されているグロバールCOE ブース展示「知られざる北の国境」(樺太国境標石2 号及び香月泰男「シベリヤ・シリーズ」の代表作「業火」の習作などの現物展示)のバックボーンともなっています。

編著: 岩下明裕

2009 年 12月
北海道大学出版会 (出版社のページへ)
ISBN 978-4-8329-6717-5
定価1600円

目   次


序章
岩下明裕
「辺境」からの問いかけ
1

第1部
海洋国家日本-「呪縛」との闘い
第1章
山田吉彦
海に広がる国境の島々
15
第2章
長嶋俊介
離島と国境-行政概史と経営戦略
35
第3章
黒岩幸子
北辺国境地帯「北方領土」
65
第4章
原貴美恵
北方領土問題解決試案-北欧のオーランド・モデルから
93
<エッセイ>
工藤信彦
国境幻想-樺太で生まれ育ったものとしての
115
<エッセイ>
須藤真哉
北方領土問題の打開へ-カギ握る戦略的「四島返還」
123

第2部
国境イニシアチブ-「辺境」からのまなざし
第5章
田村慶子
国境島嶼を考える-小笠原国境シンポジウムから
135
第6章
古川浩司
国境地域の挑戦-自治体主導の「国際政策」にむけて
149
第7章
山上博信
「屋敷まわり」としての小笠原
179
第8章
佐藤由紀
国境島嶼・小笠原の位置どりと国境意識-母島におけるアンケート調査を手がかりとして
199
第9章
金成浩
オキナワ・パブリック・ディプロマシー
225


あとがき-「境界研究の拠点形成」にむけて
243
<詩>
工藤信彦
国境
i


領土
133

索引



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