出版物
スラブ・ユーラシア叢書- 1. 国境・誰がこの線を引いたのか-日本とユーラシア
- 2. 創像都市ペテルブルグ:歴史、科学、文化
- 3. 石油・ガスとロシア経済
- 4. 近代東北アジアの誕生―跨境史への試み
- 5. 多様性と可能性のコーカサス-民族紛争を超えて
- 6. 日本の中央アジア外交-試される地域戦略
- 7. ペルシア語が結んだ世界-もうひとつのユーラシア史
- 8. 日本の国境・いかにこの「呪縛」を解くか
- 9. ポスト社会主義期の政治と経済-旧ソ連・中東欧の比較
- 10. 日露戦争とサハリン島
- 11. 環オホーツク海地域の環境と経済
- 12. 北西ユーラシアの歴史空間
- 13. 紅い戦争のメモリースケープ
- 14. 北極の人間と社会
――持続的発展の可能性 - 15. 北東アジアの地政治
―米中日ロのパワーゲームを超えて - 16. 日本帝国の膨張と縮小
―シベリア出兵とサハリン・樺太
[スラブ・ユーラシア叢書 5]
多様性と可能性のコーカサス-民族紛争を超えて
スラブ・ユーラシア叢書第5巻 『多様性と可能性のコーカサス:民族紛争を超えて』(前田弘毅編著)が3月に刊行されました。2006 年5月にスラブ研究センターで開催された同名の公開講座がもとになっています。 本書は、コーカサス史のとらえ方を論じた編者による序章、沿カスピ海空間、北コーカサスとイスラーム、芸術とアイデンティティ等について各2章づつ、計7 本の論文からなります。それぞれ難しいテーマを扱いながらも、地域に関心を持つ一般読者の幅広い興味にこたえることができるよう、平易な語り口につとめました。 昨年夏のグルジア紛争で再び注目を集めたコーカサスですが、今も戦争、テロ、資源問題といった地域の実情を無視した観点からのみ語られがちです。知 的な刺激を大いに与える独特の空間としてのコーカサスという磁場の持つ不思議な魅力が読者に少しでも伝われば幸いと考えます。 編著: 前田弘毅 2009 年 3月 北海道大学出版会 (出版社のページへ) ISBN 978-4-8329-6702-1 定価2800円 |
目 次
はじめに |
前田弘毅 |
i |
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序章 |
前田弘毅 |
コーカサス史の読み方―歴史における「辺境」と「中心」 |
1 |
第一部
カスピ海研究の可能性―ユーラシア地域ネットワークと世界秩序の関連を知るために |
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第一章 |
宇山智彦 |
中央アジアとコーカサス―近くて遠い隣人? |
31 |
第二章 |
廣瀬陽子 |
コーカサスをめぐる国際政治―求められるバランス外交 |
59 |
第二部コーカサスはイスラーム・テロ
リズムの温床か?―ロシア・イスラームを知るために |
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第三章 |
北川誠一 |
チェチェン紛争の現在―野戦軍司令官からジャマーアト・アミールへ |
97 |
第四章 |
松里公孝 |
ダゲスタンのイスラーム―スーフィー教団間の多元主義的競争 |
121 |
第三部美的表象とコ-カサス社会 |
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第五章 |
中村唯史 |
特権的トポスのはじまり―コーカサス表象の原型と「他者の声」について |
155 |
第六章 |
松本奈穂子 |
舞踏とアイデンティティの多面性・流動性―コーカサス系トルコ国民を中心に |
185 |
あとがき |
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索引 |
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執筆者紹介 |