Eurasia Unit for Border Research (Japan)

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What's New Archives

2019年12月12日

国際学術会議「中露関係とユーラシア地域の再構築」の開催

 2019年12月8日、上海外国語大学松江キャンパスで、楊成教授が主宰するユーラシアの研究プログラムと本ユニットによる共催で国際学術会議「中露関係とユーラシア地域の再構築」が開かれました。この会議は同大学の開学70周年記念イベントの一環でもありますが、スラブ・ユーラシア研究センターにゆかりの深い中露関係の研究者が集合し、まるでセンターの同窓会のような雰囲気でした。

 外国人研究員のパイオニアともいえる陸南泉を始め、ソ連大使を務めた李鳳林、馮玉軍、石澤、孫壮志、趙華勝、李伝勲らの先生方が北京やハルビンからかけつけました。センターで学位を取得し、いまや中堅として活躍している封安全、劉旭に加え、アレクセイ・ボスクレセンスキーらモスクワ組、センターの外国人研究員として成果を重ね、ポーランドの東方研究所からグラスゴー大学に移ったばかりのマルシン・カチマルスキら各氏の顔も見えました。NIHU北東アジア地域研究事業のメンバーでもあり、北京留学中の益尾知佐子・九大准教授も参加しました。

 議論は基本的にロシア語でなされ、この30年の中露関係の進捗と変化、そしてこれからを深く議論しました。これだけの顔ぶれを一同に集めた楊城教授の存在感が光りました。     

(岩下明裕)

 

 

2019年12月2日

中国社会科学院辺疆研究所で学術報告会議開催(11月26日)

 

 2019年11月26日、北京にある辺疆研究所で特別セミナーが開催されました。午前中はスラブ・ユーラシア研究センターにもなじみの深いビクトル・ラーリン氏(ロシア科学アカデミー会員)による「アジア太平洋のロシアにおける『中国』の存在:神話と現実」、午後は岩下による「今日のボーダースタディーズ」の報告がなされました。

 

 ラーリン氏は1990年代にロシア極東における中国人移民の現実と地域のパーセプションを題材に、モスクワの「中国脅威」言説を壊した仕事で有名ですが、今回の報告はその発展版ともいえ、いまだに根強く残るモスクワの対中国言説を地元の見方で正すと言う姿勢が一貫していました。 これは境界地域の現場から中央の見方に挑戦しようとするボーダースタディーズの姿勢と強く共鳴するものです。

 

 岩下は、冷戦期のハンガリー国境の「要塞」と「共存」の変遷をボーダースタディーズのタイムラインの理論で解析するとともに、メキシコ・グアテマラ国境とメキシコ・米国国境を比較し、これをボーダーの透過性で考えることの重要性をアピールしました。 北米や中欧など中国の学者にあまりなじみのない地域のケーススタディーと欧米の諸理論を手がかりにしたオリジナルな理論展開はかなり彼らの刺激になったようです。

 

 また同研究所が、グローバルCOE時代の教育研究上のパートナーであったこともあり、それぞれに成長したZhang Yongpan、Sun Hongnian、Chu Dongmeiといったサマースクール第1期の参加者との再会も果たせました。 とくにSun Hongnianはすでに副所長に昇任しており、日中の境界研究をめぐる交流の成果が目に見えるようになってきました。     

(岩下明裕)

 

 

2019年11月27日

上海外語大でユーラシアの地域研究についてのシンポジウム開催(12月7日)

 

 上海外語大の開設70周年記念イベントの一環として、地域研究についてのシンポジウムが開催され、その中のセッションのひとつとしてユーラシアが話題となります。

 

 司会は日本の学界でもなじみの深い楊成教授である。本ユニットの岩下のほか、スラブ・ユーラシア研究センターの客員研究員も勤めたマルシン・カチマルスキ氏(現グラスゴー大学)もパネリストとして登壇します。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

2019年10月17日

IBRU(ダラム大学)第2回Milefsky Awardを受賞

 

 世界のボーダースタディーズの実証研究をリードするダラム大学の国際境界研究ユ ニット(IBRU)が昨年、創設したMilefsky賞をセンターの岩下教授が受賞しました。

 

 この賞はアカデミズムのみならず、実践的な活動をも重視したもので、中国とロシ ア、日本に関する国境問題解決の分析や提言、境界地域研究ネットワーク JAPAN(JIBSN)など行政や地域の実務者とのネットワークをつうじた貢献が高く評価 されました。

 

 ボーダースタディーズにおけるアジアの研究の存在感が高まりつつある ようです。

 

 詳しくはこちらから

 

 

2019年9月25日

JIBSN礼文セミナー&国境を越えないボーダーツーリズム宗谷編 大盛況

 2019年9月21日、北海道・礼文町で境界地域研究ネットワークJAPAN(JIBSN)の年次セミナーが開催されました。

70名もの参加者があり、北海道内では稚内、根室、標津から、道外では対馬、五島、与那国、竹富から自治体関係者が集まり、境界地域の交通について議論しました。

とくに喫緊の問題として、サハリン航路が休止となった稚内、北方領土での共同経済活動が進まない根室、日韓関係の悪化で韓国人旅行者が激減している対馬からの最新報告をもとに行われた議論は、まさにJIBSNならではのものとなりました。

議論の模様はJIBSNレポートとして後日、公開されますが、セミナーのホスト役となった礼文町のみなさまには心よりお礼申し上げます。

 

 また稚内市、利尻町、利尻富士町のご支援により実現したボーダーツーリズム(9月20-23日)も好天に恵まれ、40名を越える参加者がサハリンやモネロン島の近さを感じ、宗谷の「砦」と「ゲートウェイ」の歴史を堪能しました。

                                                               (岩下明裕)

 

イベントのご案内はこちらをご覧ください。

 

 

 

2019年9月24日

中国とロシアのボーダーツーリズム第4弾「草原国境の旅」無事終了!

 2019年9月9日に北海道大学のキャンパスに集い、札幌発で始まった中露国境ツアーが無事終わりました。

今回は18名の参加で、リピーターと初参加の方々のバランスもよく、研究者、ジャーナリストを始め、国境に関心をもつ一般市民の方が参加しました。

中国内モンゴルではノモンハンや満州里、ロシアのザバイカル地方ではクラスノカメンスクまで足を運びました。

初日はNIHU北東アジア地域研究・北大拠点との共催で「北海道から飛ぶ中露国境」のセミナーも開催され、北大総合博物館の展示「世界はボーダーフル」にも足を運んでいただきました。                 (岩下明裕)

 

イベントのご案内はこちらをご覧ください。

 

 

 

2019年9月1日

『世界はボーダフル』刊行記念トークイベント御礼

日曜午後遅めの設定にもかかわらず、熱心な参加者の方々にお越しいただきました。『世界はボーダーフル』についてのプレゼンの後、北海道新聞の相原秀起記者、北大出版会の竹中英俊氏との鼎談により、探検と国境、日本の政治など幅広い議論がなされました。ご来場くださった皆様に、心より、お礼申し上げます。                                    (岩下明裕)

 

私たちは境界(ボーダー)から逃れて生きることはできません。 では、境界とどのように付き合ったらよいのでしょうか。

 

そこでこのたび、『世界はボーダフル』の刊行を記念して、著者の北海道大学スラブ・ユーラシア研究センター教授・岩下明裕氏と、『ロシア極東 秘境を歩く』の執筆者である北海道新聞社ぶんぶんクラブ事務局長・相原秀起氏をお迎えし、北米、欧州、ユーラシアを旅して見てきた世界のボーダー・ストーリーから、境界との付き合い方を“ご指南”いただきます。

 

詳細は、ポスターPDFでご確認ください。(事前申込不要・入場無料)

 

 

 

2019年8月21日

【主催】NIHU/UBRJ セミナー (協力:NPO 法人国境地域研究センター)

日時: 2019年9月9日(月) 14:00~15:00 「北海道から飛ぶ中露国境の旅」

 

場所: スラブ・ユーラシア研究センター大会議室

 

     Ⅰ 高田喜博「ボーダーランド北海道」

         北海道国際交流・協力総合センター客員研究員

 

     Ⅱ 岩下明裕「中露国境ゼロ地帯」

        北海道大学スラブ・ユーラシア研究センター教授

 

*本セミナーは「中露国境紀行第4弾:草原の国境へ」の参加者を中心にした事前セミナーですが、一般の方にも開かれています。                 <>担当:岩下(iwasi@slav.hokudai.ac.jp

 

 

2019年7月24日

「旅するカモメ」(毎日新聞連載)が冊子になりました

 

本ユニットも協力しました毎日新聞日曜版連載「旅するカモメ」(2018年4月~2019年3月)が冊子になりました。

国内外のボーダーツーリズムや境界地域が紹介されています。

 

ご関心のある方はこちらから

 

 

 

 

2019年7月9日

ブックレットボーダーズ第6弾『世界はボーダーフル』刊行される!

岩下明裕・新著「世界はボーダーフル」刊行

 

本ユニット代表が、九州大学とのクロスアポイントメント期に、「西日本新聞」で50回にわたり連載した「世界はボーダーフル」が北海道大学出版会から刊行されました。

 

お申し込みはこちら(北大出版会)

 

 

 

 

 

 

 

 

2019年6月13日

中露国境紀行第4弾のご案内

中露国境紀行第4弾が2019年9月9日から16日にかけて行われます。

 

詳細は、ポスターPDFでご確認ください。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

2019年4月13日

和文査読誌『境界研究』9号の刊行

 

 UBRJが刊行・編集を行っている和文査読誌『境界研究』9号が刊行されました。

詳しくはこちらをご覧ください。

 

2019年1月17日

【関連セミナー】“Eternally ‘Northern Territories’?: the Fiasco of Abe’s Russian Policy” by Akihiro Iwashita (ヘルシンキ大学アレクサンテリ研究所)

 2019年1月17日にヘルシンキ大学アレクサンテリ研究所において、拠点リーダーの岩下明裕が北方領土問題に対する安倍政権の姿勢についてセミナー報告を行います。 詳細は下記のリンクをクリックしてご参照ください。

 https://helsinginyliopisto.etapahtuma.fi/Default.aspx?tabid=960&id=54596&_g

 

2018年11月26日

韓国・中央大学「接触ゾーンの和解と共存」リサーチセンターとの協力

  2018年11月19日、ソウルの中央大学で新たに始まった学術プログラム「Reconciliation and Coexistence in Contact Zone (RCCZ)」により設立された研究センターのセミナーが開催されました。このプログラムは日本のグローバルCOEにも匹敵する規模であり、ボーダースタディーズを韓国で普及させることを目的としているそうです。今回、本ユニットに協力依頼があり、ユニットメンバーの池直美講師とともに、グローバルCOEの成果とその後の展開について、講演をしてまいりました。とくに映像制作や博物館での活動に関心がもたれたようです。またMOUも取り交わし、今後はサマースクールなどで協力を行う方向で調整しています。新しいボーダースタディーズの仲間が韓国に生まれたことに心よりお祝いを述べたいと思います。                                               

(岩下明裕)

   

 

 

2018年11月12日

北大出版会企画・北道総合博物館セミナー「ボーダーツーリズムの魅力を語る」開催

 2018年月11月11日(日)13時半から、北海道大学総合博物館「ホール(知の交流)」において、北海道大学出版会主催による「ボーダーツーリズムの魅力を語る―世界の『端っこ』から」と題する一般市民向けのセミナーが開催されました。これは本邦初のボーダーツーリズムに関する著書の刊行をプロモーションするとともに、市民の方々にボーダーツーリズムの魅力を知ってもらおうというものです。

 

 冒頭で本ユニット代表の岩下が趣旨説明をした後、日本の観光業界で著名な伊豆芳人さん(ボーダーツーリズム推進協議会会長)からボーダーツーリズムの魅力と実践についてお話があり、これを受け、国境写真家を自称する斉藤マサヨシさん(稚内在住)がサハリンや北千島などかつての日露(ソ)国境を訪れる楽しみをスライドで報告されました。報告後は岩下も含む3人で鼎談を行い、その面白さを奥深さを様々なエピソードを交えやりとりしました。セミナー終了後は、博物館2Fのボーダーツーリズム展示ブースに参加者を案内し、伊豆会長と斉藤さんが展示解説を行いました。

 

 足元の悪いなか集まった50名を越える参加者からは「ツアー報告会をぜひ開催してほしい」という要望も出ました。推進協議会の事務局を務めるビッグホリデーからは、12月末に予定されている東南アジア三国国境・マラッカを行く旅のご紹介もありました。 http://borderlands.or.jp/news/images/BTSMalacca.pdf

 

 多くの方々が北と南で展開されている国境の旅に参加されることを願っています。                                                

(岩下明裕)

 

 

 

2018年11月12日

【開催レポート】アレクサンダー・ブフ氏をお招きしてNIHUセミナーを開催(2018/11/9)

 

 2018年11月9日(金)、ヴィクトリア大学ウェリントンのアレクサンダー・ブフ氏をお招きして、スラブ・ユーラシア研究センター大会議室にてセミナーを行っていただきました。普段は、日露関係や日韓関係のローカルなトピックを研究なさっている氏ですが、今回は「中国の台頭及びタイ、韓国におけるナショナル・アイデンティティの変貌」と題して大きな枠組みでのお話をいただきました。ミシェル・フーコーの「productive power生-権力」の概念を軸として、主にかつて米ソが冷戦構造の中で非意図的に他国の民族独立運動等に影響を及ぼした例を引き合いに出しながら、現在台頭してきている中国もまた生-権力として他国に影響を及ぼしているのかどうか、という問いに答える試みでした。結論としては、現時点ではそのような影響は確認されていないとのことでしたが、様々な論点を含んだご発表内容で、質疑応答時間はたいへんな盛り上がりを見せました。

(文責:斎藤慶子)
 

 

2018年11月7日

【開催レポート】ボーダーツーリズム五島・済州島大成功(2018年10月28-31日)

 境界研究ユニット(UBRJ、以下本ユニット)が事務局を務める境界地域研究ネットワークJAPAN(JIBSN)の年次セミナーが長崎県五島市で開催されましたが、今年も昨年の対馬・釜山ツアーにならって、済州島への国境ツアーが組まれました。本ユニットも会員であるボーダーツーリズム推進協議会の事務局でもあるビッグホリデー(株)の主催旅行です。50名乗りの飛行機をコリア・エクスプレスという会社からチャーターしましたが、JIBSN関係者、NPO法人国境地域研究センターの全国の会員が手をあげ、これに一般公募の地元五島市民が加わり、席はあっという間に完売となる盛況ぶりでした。野口市太郎市長も同行し、五島市は独自に済州島の自治体と交流も行ったようです。


本ユニットがこれまで主導してきたボーダーツーリズムですが、今回のチャーター便への支援はグローバルCOE時代、2011年に手掛けた与那国・台湾チャーター以来となります。前回に比べれば、今回は旅行会社や自治体関係者の手際よい組織、そしてNPO法人の集客力の高さなど、私たちの事業も大いに広がりと進捗をもってきたことを実感できました。とくにCIQの施設のない離島で国際便のチャーターの発着を成功させた点は大いに評価されるでしょう。なお2019年度は、北海道礼文町で「国境を越えないボーダーツーリズム」をJIBSNセミナーに併せて組織する予定です。これらの成果は北海道大学総合博物館2Fのブースで展示されます。

(文責:岩下明裕)

関連リンク https://this.kiji.is/430529753159976033?c=39546741839462401 

 

 

2018年10月23日

【エッセイ】WSSF福岡大会・ミルザ氏御寄稿

 

2018年9月の25~28日にかけて福岡で行われた世界社会科学フォーラムに参加されたミルザ氏からエッセイを御寄稿いただきました。ミルザ氏は、その後日本南アジア学会(9月29・30日)にも参加なされ、最後は新造された九州大学伊都キャンパスへの移転完了を記念したセミナー(10月10日)を行われました。


氏によるレポートはこちらに掲載しております。

(文責:斎藤慶子)

 

2018年10月4日

【開催報告】ABS日本チャプターワークショップ 終了

 

去る929日(土)に、東京・御茶の水の中央大学駿河台記念館で、ABS日本チャプター(ABSj)主催による国際ワークショップが開催されました。これは、北海道大学境界研究ユニット(UBRJ)と九州大学ボーダースタディーズモジュール(KUBS)の共催でしたが、九州大学伊都キャンパス移転を記念として企画されました。共通テーマは、「ボーダースタディーズの現在―ヨーロッパ、北米、アジアの視点から」でした。台風の影響による雨の日にもかかわらず、研究者ばかりではなく、ボーダースタディーズに関心のある社会人や学生などを中心に20名近い参加がありました。

東京部会研究幹事の川久保文紀(中央学院大学教授)の司会のもと、まず日本支部代表の池直美(北海道大学講師)の挨拶がありました。第一部としては、まず、アメリカのジョージメイソン大学教授のグアダルーペ・コレア=カブレラが、トランプ政権における国境管理政策を、メキシコ国境を素材として、メディアなどを通じたスペクタルの観点から分析しました。次に、オランダのラドバウド大学教授のマーチン・ファン・デル・フェルデが、EU統合におけるモビリティとインモビリティの双方の視点から、EU域内におけるヒトの移動の誘因に関する考察を行いました。そのあと、北米先住民の専門家である水谷裕佳(上智大学准教授)とトルコ政治外交が専門の今井宏平(アジア経済研究所・日本貿易振興会研究員)より、それぞれの報告に対してコメント・質問がなされました。   

第二部として、岩下明裕(北海道大学・九州大学教授)による「ヘイシャーズ島への招待」と題した講演が行われ、かつては中ソ国境の係争地であった島が、現在では、観光客が訪れることができるほど交流の場へと変貌してきた様相についての報告がありました。それに対して、中国、ロシア、北朝鮮のボーダーランズの専門家であるエド・プルフォード(日本学術振興会特別研究員)からコメント・質問が行われました。その後、フロアからの学生たちも英語で積極的に質問がなされ、活発な議論が行われた国際ワークショップとなりました。

 

(文責:川久保文紀)

 

*本セミナーは、九州大学伊都新キャンパス完成事業の一環であり、また新学術領域研究「グローバル関係学」公募研究「グローバル関係学における境界化現象の総合的研究」の成果報告でもある。

 

 

2018年10月3日

【開催報告】WSSF福岡 終了

 2018年9月25日から28日にかけて福岡国際会議場で開催された世界社会科学フォーラムが無事終了しました。オープニングは厳重な警備のもと、皇太子殿下のご臨席で始まり、延べで80か国1000名近い参加者がありました。九州大学が数年越しで準備した会議です。 九州大学の企画委員会として早いから参画し、プログラムのアップデートなども手伝ってきましたが、UBRJとの共催では2つのセッションを、九州大学伊都キャンパス完成記念パネルとして組織しました。一つ目は26日の北極関連セッションです。これは北大の北極研究センターとの共催でもあり、北海道大学からは大西富士夫、高橋美野梨、スラブ・ユーラシア研究センターで院生生活を送った劉旭(中国人民大学)に韓国・釜山からはキム・ミンス(北極研究センター)を加えた豪華な顔ぶれを、UBRJの池直美(北海道大学)がモデレーターとして仕切りました。 もう一つのセッションが、今日のボーダースタディーズと題した招待パネルです。これはAssociation for Borderlands Studiesの会長であったマーチン・ファン・デル・フェルデ(ラドバウド大学)、グアダルーペ・コレア=カブレラ(ジョージ・メイソン大学)に、九大ボーダースタディーズで3年活躍したセルゲイ・ゴルノフ(ロシア科学アカデミー世界経済国際関係研究所)に岩下が加わり、ミルザ・ラフマン(インド工科大学)、エドワード・ボイル(九州大学)の司会のもと、ラウンドテーブル形式で実施されました。なお、このパネルは新学術領域研究「グローバル関係学」(酒井啓子代表)の公募研究「グローバル関係学における境界化現象の総合的研究」の成果報告の一環でもあります。 個別報告としては、地田徹朗(名古屋外国語大)、ラフマン、ボイル、池らがそれぞれのパネルに参加するとともに、九州大学法学研究院のリサーチアシスタントたちがポスターセッションで活躍しました。                                     

 (岩下明裕)  

 

 

 

2018年9月29日

【参加報告】ABSj Workshop at Chuo University, Tokyo. 29 September 2018.

Border Studies Today: Seen from North America, Europe and Asia”

 

On 29 September 2018 with a typhoon fast approaching, the Association of Borderlands Studies – Japan (ABSj) held a workshop at Chuo University’s Surugadai Memorial Hall in Tokyo. Presided over by Professor Fuminori Kawakubo of Chuo Gakuin University, the day began with an introduction from ABSj President Professor Naomi Chi of Hokkaido University. Greeting students and scholars attending the workshop, Chi introduced ABSj’s activities as an East Asian hub for global borderlands studies, before handing over to Professor Guadalupe Correa-Cabrera of George Mason University in the United States, a former president of the global Association of Borderlands Studies. Correa-Cabrera delivered a provocative and engaging paper showing how representations of the US-Mexico border and those who cross it have transformed into a lurid media ‘spectacle’ during the presidency of Donald Trump. Following this, Professor Martin van der Velde of Radboud University in the Netherlands offered a complementary perspective from Europe, arguing in his paper that, despite its comparatively permeable borders, the continent counterintuitively is still characterised by immobility as Europeans largely choose not to migrate. Finally, Professor Akihiro Iwashita of Hokkaido University and Kyushu University spoke in a more light-hearted but nevertheless stimulating vein, describing a tour along and across one of Asia’s most bewitching borders, that between China and Russia. Recounting visits to previously off-limits military zones, relics of the pre-1990s Sino-Soviet Split, and new tourist attractions on both sides of the border, Iwashita’s presentation – commented upon by Ed Pulford of Hokkaido University – rounded off a stimulating afternoon of trans-continental frontier exploration.

(エド・プルフォード、日本学術振興会特別研究員PD)

 

*本セミナーは、九州大学伊都新キャンパス完成事業の一環であり、また新学術領域研究「グローバル関係学」公募研究「グローバル関係学における境界化現象の総合的研究」の成果報告でもある。

 

 

 

2018年9月21日

ツーリズムEXPO2018プロフェショナルセミナー開催

 昨年に引き続き、東京ビッグサイトで開催されたツーリズムEXPO2018のプロフェショナルセミナーにボーダーツーリズムがお目見えしました。これは本ユニットも会員のボーダーツーリズム推進協議会(会長:伊豆芳人)が主催するもので、14時半から16時まで実施されました。前半は与那国町とNTTドコモが導入を検討している「ICTを活用した地域活性化」についての報告ですが、情報技術を使って国境の島、与那国を発信し、現地にも足を運んでもらう仕掛けをつくろうというものです。礼文、根室、波照間など東西南北の島との連携も射程にいれたボーダーツーリズムによる地域活性化を目指します。

 後半は本ユニット代表の岩下による、中露国境の旅の紹介です。今年で3回目を数えるツアーの紹介と、この海外での国境ツアーが日本での経験を踏まえて生まれた経緯の説明、そして何よりも中露国境紛争の島、ヘイシャーズ島に(おそらく)史上初の一般募集ツアーとして第三国籍者が、中露双方から足を踏み入れた画期的意味を解説しました。観光・ツーリズムによる平和創造まで展望するボーダーツーリズムのダイナミズムを50名近い聴衆は聞き入っていました。 

 (岩下明裕)

 

 

2018年10月13-14日

【関連イベント】日本政治学会研究大会でボーダースタディーズ

 関西大学千里キャンパスで行われるボーダースタディーズ関連公募企画についてのお知らせです。日本政治学会でボーダースタディーズに関する公募企画が組まれるのは、今回が初となります。

 

日本政治学会研究大会

日程:20181013(土)-14日(日)

場所:関西大学千里キャンパス

公式ウェブサイト:http://www.jpsa-web.org/conf/2018/program/session.html#bunkakai_a

 

公募企画「ボーダースタディーズの新展開―欧米日の主権・統治・領域性をめぐって」

司会:池 炫周 直美(北海道大学)

報告:惑星限界の系譜学―化石燃料から考えるヨーロッパ型主権国家システムの遺産

前田 幸男(創価大学)

報告:国境の「壁」をめぐる政治学―主権の空間変容

川久保 文紀(中央学院大学)

報告:「有人国境離島法」制定に見る日本のボーダーランズ政策における新展開

   古川浩司(中京大学)

討論:佐々木 寛(新潟国際情報大学)

花松 泰倫(九州国際大学

 

詳しくはこちらをご覧ください。

 

(文責:斎藤慶子)

 

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