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What's New Archives
スラブ・ユーラシア研究報告集 No.8 "Soviet Identity Politics and Local Identity in a Closed Border Town, 1944-1991"の刊行 UBRJとの緊密な協力関係下にある、東フィンランド大学カレリア研究所の研究員であるアレクサンドル・イゾトフの筆による、"Soviet Identity Politics and Local Identity in a Closed Border Town, 1944-1991"がスラブ・ユーラシア研究報告集 No.8として刊行されました。こちらから全文をダウンロードいただけます。ソ連時代のソ連・フィンランド国境にあるカレリア自治共和国のソルタヴァラ地方に焦点を当てた境域におけるアイデンティティと政治を扱った著作です。ぜひご参照ください。
北海道大学スラブ・ユーラシア研究センター境界研究ユニット助教の公募(2017年1月10日必着) 北海道大学スラブ・ユーラシア研究センター境界研究ユニット(UBRJ)では、助教1名(任期付き、任期2年)の公募を行っております。公募要領はこちらをご覧ください。応募書類の締切は2017年1月10日(火)必着となります。振るってのご応募をお待ちしております。
エドワード・ボイル氏による1st ABSj Seminar 参加記をアップ 九州大学アジア太平洋未来研究センター助教のエドワード・ボイル氏より、2016年11月27日に開催されたAssociation for Borderlands Studies日本部会(ABSj)主催による ABSj 1st Seminarの模様について、詳細な英語での参加記の提出がございました。 こちらからダウンロード可能ですのでご一読ください。

UBRJセミナー「南アジア地域における宗教と肉食:国境を越える牛の屠り」参加記 2016年10月21日(金)、北海道大学スラブユーラシア研究センター大会議室にて、慶應義塾大学商学部専任講師の宮本万里先生をお招きして標題のセミナーが開催されました。宮本先生は、2009年から2011年3月まで北海道大学スラブ研究センターに学術研究員として勤務され、主にグローバルCOEプログラム「境界研究の拠点形成:スラブ・ユーラシアと世界」で活躍をされました。今回のセミナーは宮本先生の凱旋講演と相成りました。 本報告は、「牛の屠(ほふ)り」という、一見するとボーダースタディーズとは関連がなさそうなテーマについて、南アジアのインドとブータンを対象に、屠られた牛がいかにして国境を越えるのか/越えないのかという点について、宗教・経済政策、牧畜民の営み、宗教実践など様々な要素を絡めながら論じたものでした。講演者の専攻である人類学という枠には留まらない、学際的な性質(それはボーダースタディーズの特徴でもあります)をもった報告でした。 インドでは、元々牛肉の輸出は非合法だったが、現実には人口のほとんどをムスリムが占めるバングラデシュに「密輸」されていた。モディ政権下でのヒンドゥー原理主義の影響で屠られた雌牛(「聖牛」とされる;ただし、雌牛の屠畜が合法なのは9州に過ぎない)の「密輸」に対する取り締まりが強化された。結果として、インド国内では、牛の屠りをめぐって不利な状況に置かれたムスリムやキリスト教徒とヒンドゥー教徒との間の対立が煽られ、また、インドからやって来る牛や牛肉に依存していたバングラデシュの関連産業が大打撃を受けるという状況に陥っている。他方で、統計上はインドは2014年以来、世界最大の牛肉輸出国という、一見すると不可解な状況が続いている。ここでいう「牛肉」とは屠畜・輸出禁止の影響を受けない「水牛の肉」であるという。このように、牛を屠るか屠らないかという問題が、インド国内での宗教間関係や国際経済の動向に大きな影響をおよぼしているという事例が紹介された。 ブータンは仏教国であり、畜種による屠畜の限定はない。しかし、仏教勢力が一定の影響力をもつ同国では、牧畜民による残虐にもみえる屠畜そのものが忌避されるようになり、放生の実践も行われるようになった。そして、同国での牛を含む家畜は南へ移動するようになり、最終的には国境を越えてインドを市場とするようになっている。そして、国内消費向けには輸入肉への依存度が高まるという現象が起きているという。 宗教・経済・生業・環境・国境・・・地域における人間の営みにかかわる現象を記述する場合、それにまつわる政策や実践だけでなく、政策の執行や、政策と実践との間の歪み、その解決方法など、複雑な要素の網の目をほどいてゆかねばならない。このような学際的な地域研究/境界研究の醍醐味を味あわせてくれる報告だったと思います。今回のセミナーは、久々に人類学を扱ったものであり、いつもの常連の方々だけでなく、農学研究科の大学院生など若手の参加が非常によく目立ちました。今後とも、境界をめぐる多様な研究成果をUBRJでは取り上げてゆきたいと思います。講師の宮本先生、ご参加いただいた皆さま、ありがとうございました。
(文責:地田 徹朗)
UBRJ/NIHUセミナー「北方領土問題:日露の認識と関係を問い直す」参加記をNIHU北東アジア研究北大スラ研拠点HPにアップ 2016年10月6日、75名の参加者を集めてUBRJ/NIHUセミナー「北方領土問題:日露の認識と関係を問い直す」が開催されました。岩下明裕UBRJユニットリーダーとドミトリー・ストレリツォフ・モスクワ国際関係大学教授との北方領土問題についての日露での認識と展望について対談形式で行われました。その司会を務めた加藤美保子・北海道大学スラブ・ユーラシア研究センター特任助教の筆による参加記が、NIHU北東アジア地域研究北大スラ研拠点のホームページにアップされております。白熱した議論の様子について、こちらからどうぞご一読ください。
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