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What's New Archives
2016.06.12
「持続可能な北極への挑戦」ワークショップ参加記をアップ!
UBRJメンバーで北極域研究推進プロジェクト (ArCs) における「北極の人間と社会」班のプロジェクトメンバーでもある池直美(公共政策大学院)が、2016年4月11日、「持続可能な北極への挑戦」と題されたワークショップをカナダ・ビクトリア大学と共同で開催しました。その参加記がArCsブログにて紹介されていますので、ご関心のある方は是非一読ください。ブログ記事リンクはこちら:http://blog.arcs-pro.jp/2016/06/post-3.html。
2016.06.06
九州大学境界研究モジュール(KUBS)の新しいウェブサイトがオープン!
2016年4月、九州大学境界研究モジュール(KUBS)が設立されました。新しいウェブサイトもオープンしましたのでぜひご覧ください(http://cafs.kyushu-u.ac.jp/borders/)。ウェブサイトでは、KUBSが行っている様々な教育・研究プロジェクトの様子を伝えています。現在長編の「ボーダー・ブリーフィング」と短編の「ボーダー・バイツ」という二つのウェブ版刊行物を運営しており、執筆者を募っておりますので、ご関心のある方は是非とも投稿ください。報告書をお読みになりたい方は、「レポート」をクリックしてください。また、KUBS公式ツィッターもオープン(@BorderstudiesRM)。ご意見・ご感想は、KUBSの公式フェイスブック(https://www.facebook.com/KUBSResearch/)に投稿していただくか、「いいね!」を押してください。
皆さまのご投稿をお待ちしております。
2016.05.30
中露国境ツアーの募集開始(9/6~9/12)(申込締切7/29)
近年、UBRJで力を入れて展開をしている国境観光の新たなツアーの告知が始まりました。新潟発でハルビン、綏芬河、グロデコヴォ(ポグラニーチヌィ)、ウラジオストクをめぐる中ロ国境のツアーです。NPO法人国境地域研究センターの企画でエムオーツーリストが実施いたします。岩下明裕・UBRJユニットリーダーも全行程同行いたします。9月6日(火)新潟発で12日(月)にソウル経由で成田着となります。ツアーの詳細につきましてはこちらからフライヤーをダウンロードしてください。7月29日(金)締切ですが、お早めのお申し込みをお勧めいたします。ご関心のある方はエムオーツーリスト(03-5733-5595)まで直接お問い合わせください。
2016.05.20
BRIT XV ドイツ・ハンブルグとデンマーク・セナボーで開催
2016年5月17日(火)~20日(土)、隔年開催のボーダースタディーズの国際会議Border Regions in Transition (BRIT)第15回大会がドイツのハンブルグ(ハーフェンシティ大学)、デンマークのセナボー(南デンマーク大学)にて開催されました。UBRJからは、岩下明裕(北海道大学スラブ・ユーラシア研究センター/UBRJユニットリーダー)、ディビッド・ウルフ(同)、地田徹朗(同)が参加。また、日本からは花松泰倫(九州大学)、岩田拓夫(立命館大学)も参加しています。今回のBRITは、"Cities, States and Borders: From the Local to the Global"と題し、開催地がドイツだったこともあり、EU圏内の越境都市協力や都市・地域計画の専門家が目立ちました。中でも、ツインシティ―の問題に大きな焦点が当てられていたようです。
初日、岩下明裕が中心となり組織した"Perspectives on Japanese Cities and Border Politics"というセッションでは、岩下がイントロダクションと稚内=サハリンとオホーツク海岸北上の国境観光、ウルフが「東洋のパリ」と称されたロシア(ヨーロッパ)文化のフロンティアとしてのハルビンの都市建設、花松は対馬=釜山の国境観光と韓国人観光客と地元住民の間のメンタルバリアーの変化について論じました。ウルフ報告では、20世紀初頭のハルビンが多文化・多民族の街として機能し、当時の景観の残滓が今なお帝国の記憶としての心象風景を成し、ロシア人観光客を呼び込んでいると説明がなされました。花松報告では、韓国人にとっての対馬は身近な異文化経験(花松の言葉を借りれば"expected unfamiliarity"経験)の場であるのに対し、日本人にとっては未だに国境のデッドロックというイメージしかないという、国境観光のあり方の対比が示されました。
二日目に地田が登板し、アラル海災害とスケールの問題について、多様な地理的スケールを代表するアクターが複雑な影響・支援・対立関係にあり、スケール間の政治が結局はアラル海問題の解決を妨げてきたと論じました。同時に、異なる(あるいは同等の)スケール間のアクターを束ねるようなネットワークの構築がペレストロイカの時代にみられたようにより有効だったと指摘しました。
トニー・パヤン(ライス大学、アメリカ)、ベアトリッヒ・ヘゼルスバーガ―(ウィーン大学)、エマニュエル・ブルネト=ジェイリー(ヴィクトリア大学、カナダ)らのキーノートは学問的刺激に満ち満ちていました。特に、パヤンによる講義は、国家機関による伝統的な国家中心的なガバナンス、民間企業によるネットワーク&市場型ガバナンス、国境地域住民によるアナーキックなガバナンス(プラス、ガバナンスの言葉で語りえない組織犯罪)、このような複数の類型のガバナンスが実態として交錯する場として米墨国境地域を描き、この地域に限らず、ボーダーをめぐるヒエラルキーやガバナンスを考える上での重要な視座と材料を提供してくれました。
三日目のハンブルグからセナボーまでの国境越えエクスカーションを含め、国境を跨いだ都市間の関係、越境現象と地域住民(コミュニティ)との関係、越境するフロー・物流の問題、これらを総合的に計画してゆくということの問題など様々なことを考えさせられました。組織運営もスムーズで素晴らしい会議だったと思います。次回のBRIT XVIは、アフリカ大陸に初上陸し、ナイジェリア南西部にあるイバダン大学が主催。ナイジェリア=ベナン国境のエクスカーションが計画中とのことです。
2016.05.15
岩下ユニットリーダー参加の米ブルッキングス研究所でのセミナー記録が公開
本サイト上でもアナウンスしたとおり、2016年3月24日にワシントンのブルッキングス研究所にて、岩下明裕UBRJユニットリーダーが参加したセミナー"The emerging China-Russia axis: The return of geopolitics?"が開催されました。セミナーの模様を収めたトランスクリプトが同研究所サイトよりダウンロード可能です。こちらからどうぞご覧ください。
北米およびメキシコを基盤とする境界研究の国際学会であるABSのリノ大会が4月13日~16日の日程でネヴァダ州リノ市のSierra Grand Resortにて開催されました。センターからは岩下明裕(UBRJユニット代表)、地田徹朗、そして、大学院文学研究科博士課程のアリベイ・マムマドフが参加しました。北大公共政策大学院の池直美、九州大学からはセルゲイ・ゴルノフ、テッド・ボイル、花松泰倫、東フィンランド大学のユッシ・レーン(ABS事務局長)など、センターと馴染みの深い面々も参加しました。本大会にて、岩下明裕教授は一年間のABS会長職の任期が満了となりました。また、ABS理事会にて、昨年11月に暫定発足した境界研究日本部会をベースに、ABS日本部会を発足させることが正式に決定されました。
2016.04.27
月刊誌『地理』でのボーダースタディーズ特集の連載が開始!
古今書院が刊行する月刊誌『地理』の2016年4月号より、12回にわたるボーダースタディーズ特集の連載が始まりました。『地理』誌は、研究者向けと一般向けの中道をゆく、分かりやすい地理学雑誌として定評があります。大型書店や有名なネット書店では取扱いがございますので、ぜひお手に取ってご覧ください。
各号の特集論文タイトルと執筆者(6月号以下はすべて仮題です)
2016年4月号 第1回
ボーダースタディーズへの招待-連載をはじめるにあたって 岩下 明裕(北海道大学)、高木 彰彦(九州大学)
2016年5月号 第2回
ボーダーレスな世界とボーダーフルな世界―
2016年6月号 第3回
2016年7月号 第4回
2016年8月号 第5回
2016年9月号 第6回
2016年10月号 第7回
2016年11月号 第8回
2016年12月号 第9回
2017年1月号 第10回
2017年2月号 第11回
2017年3月号 第12回
2016.04.25
サハリン(樺太)国境紀行写真展&北の国境トークショー「稚内~サハリン」開催(4/23)
本ユニットとNPO法人国境地域研究センターが企画した写真家斉藤マサヨシさんの写真展が紀伊国屋札幌店で始まりました。初日は写真展の特別企画として一階ギャラリーで、斉藤さんに加え、昨年実施されたボーダーツーリズムすべてに参加し、サハリンにも2回足を運んだ朝日新聞編集委員の刀祢館正明さんも加わり、トークショーがユニット代表の岩下の司会で開催されました。開演30分前に半数の席が埋まり、立ち見も溢れるなど130名を越える人が詰めかけ、大盛況となりました。ラジオ番組のライブのようなノリでの斉藤さんと刀祢館さんの軽妙なやりとりに、多数来場した高校生が最前列で熱心にメモを取る姿も見受けられました。
トークでは、サハリンの知られざる魅力、稚内と結ぶ意味、そしてボーダーツーリズムの世界と話題は尽きず、写真展の見どころが多様な観点から紹介されました。サハリンツアーへの参加者や主催した旅行社、稚内市の関係者なども顔も多数みられ、一日も早い稚内とサハリンの航路復活へ期待も高まりました。
トーク終了後には多数の参加者が2階の写真展に詰めかけ、足の踏み場もないほどに来場者は斉藤さんの写真の世界に見入っていました。なお、7月末リニューアル・オープンの北海道大学博物館では、本ユニットが企画する国境観光展示パートIIが計画されていますが、そのなかで斉藤さんの写真展の続編も登場する予定です。どうぞお楽しみにお待ちください。
(文責:岩下明裕)
UBRJユニットリーダーの岩下明裕による英語での新著"Japan's Border Issues: Pitfalls and prospects" (Abingdon: Routledge, 2016) が刊行されました。筆者による、グローバルCOEプログラム「境界研究の拠点形成」及びUBRJなどでの研究に基づいた、日本の領土問題研究の一里塚となる著作です。日米同盟の一変数としての日本の領土問題という切り口から、北方領土問題、竹島問題、尖閣諸島問題について個別のチャプターを設けて論じています。高額な書籍でございますので、大学図書館等を通じてお手に取っていただければと思います。
2016.04.10
『アイスランド・グリーンランド・北極を知るための60章』が刊行
小澤実、中丸禎子、高橋美野梨編著『アイスランド・グリーンランド・北極を知るための60章』(明石書店、2016年)が刊行されました。編者の一人である高橋美野梨氏は、北海道大学スラブ・ユーラシア研究センターを受入機関として2012年度から2014年度まで日本学術振興会特別研究員をつとめ、昨年度は学術研究員としてセンターに在籍しました。今年度は、同じ北大の北極域研究センターに博士研究員として勤務しています。グリーンランドについて国際関係論をディシプリンとして社会科学的な視点から研究している国内で数少ない研究者です。今後もデンマーク・グリーンランドを中心とした北極域研究の牽引が期待されています。